金曜日の海外時間には、米経済指標結果を受けて米長期金利が低下したことからドル売りが強まりました。
金曜日の海外市場
東京時間夕方には、ストップ・ロスを巻き込んでドル円が111.80円台まで、ユーロ円も132.20円台まで下落しましたが、欧州時間にはいると米長期金利と各国株価が堅調に推移する中全般的にドル買いが優勢となってドル円は112.20円台まで、ユーロ円も132.70円台まで反発し、ユーロドルは1.1800台まで下落しました。
しかしNY時間朝方に発表された米・9月消費者物価指数が予想よりも弱い結果だったことから、米長期金利が急低下しドル売りが強まって、ドル円は111.70円付近まで下落し、ユーロドルは1.1870台まで上昇しました。
その後米長期金利が下げ止まるとややドルが買い戻され、ドル円は111.90円台まで上昇し、ユーロドルはNY時間引けにかけて1.1830台まで下落しました。
NY時間引けにかけては、ユーロが再び売られ、ユーロドルは1.1810付近まで、ユーロ円は132.10円台まで下落しました。
FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約83%に、また2018年6月までの2回目の利上げも約52%にそれぞれ織り込みが低下しています。
今日の予定
今日の海外時間にはユーロ圏・8月貿易収支、米・10月NY連銀製造業景気指数の発表が予定されています。
今後の見通し
先週公表された米FOMC議事録では、今後の物価指標によっては12月の利上げを支持しない可能性のある委員が4~5人いることが示されました。PCEコアデフレータと並んで最も重要な指標と考えられる消費者物価指数がこのタイミングで予想を下振れたことから、相場に明確な影響を与えました。ただ、今回の指標には、ハリケーンの影響が様々な形で出ていると考えられ、その影響の程度が不透明なことから、今後の指標がますます重要となると考えられます。
今日から、米韓合同軍事演習が行われています。北朝鮮は強く反発していることから、なんらかの示威行為が行われる可能性が考えられます。実際にミサイルや発射装置に動きが見られ、発射準備が整っているとの報道もあり、もし動きがあればリスク回避で円買いが強まると考えられます。
また欧州では週末に行われたオーストリアの総選挙で、若干31歳のクルツ外相率いる反難民を訴える国民党が第1党となり、さらに第2党には移民排斥、反EUの極右自由党が第2党になったことから、非常に右派色の強い政権が誕生する可能性が高くなりました。今後新たな欧州の火種になる可能性もあって、ユーロ相場に悪い影響を及ぼす懸念があります。
ドル円とユーロ円の売りポジション
以上のような状況を考えると、今週はドル円の売りに加え、ユーロ売り円買いのポジションが有効と考えられます。ユーロ円では132.80円付近に損切りラインを設定した上、132.30~50円でユーロ売りポジション構築を目指します。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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