「卒業生の親族や子どもへの入学優遇制度」は、米国の上流中産階級以上が大学進学の際当然のように利用してる。だがこれが「不正行為に該当するのではないか」との見方が浮上している。

過去の調査からは、難関大学480校のうちおよそ半分の生徒が上流中流階級出身であること、狭き門になればなるほど「身内優先」の傾向が強くなることなどが分かっている。

こうしたエリートによるエリートのための教育が、米国でも深刻化する格差社会をさらに拡大しているのは間違いなさそうだ。

米国の「実力主義社会」も、古い風習には勝てず?

「レガシー・アドミッション」と呼ばれる卒業生の身内は、米国の上流中流階級あるいはそれ以上の階級間で根付いたある種の教育文化とされている。

米国における上流中産階級の定義は年間所得10万~20万ドル(investopediaより)。2015年のデータでは、米国人口の約2割を占めている。

CNBCの取材でレガシー・アドミッションの不公平さを呼びかけた米国のブルッキングス研究所経済部共同ディレクター、リチャード・リーブス氏は、米国のように「実力主義社会」をスローガンに掲げている国に、こうした風習が今も残っているのは理に反すると指摘している。

リーブス氏自身はオックスフォード大学卒だが、それによって自分の息子が入学を保証されることはなく、「実際不合格となった」と語っている。つまり英国には世襲君主制が残っているかも知れないが、「少なくとも大学進学をめぐる不公平な優遇制度は死に絶えた」という。

「経済的に裕福な層の子孫が富を受け継ぐ」背景には、事業あるいは遺産相続そのものよりも、「高水準な教育を受けるチャンスが豊富に与えられている」という、より現実的な要因が大きい――リーブス氏は自身の著書『Dream Hoarders』の中でそう述べている。

難関大学480校の半分の生徒が上流中流階級出身