中国の金融テクノロジー企業「趣店」が10月18日、米国ニューヨーク証券取引所へ上場を果たした。公開価格24ドルに対し、最高値34.55ドルまで43%も上昇した。時価総額は初日に100億ドルを超えた。大成功である。また時を同じくして、検索エンジンを運営する「捜狗」が米国SECへIPO目論見書を提出した。ニュースサイト「今日頭条」が伝えた。中国ネット企業、ニューヨーク連続上場の背景には何が見えるのだろうか。

趣店はどんな会社?

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(画像=Webサイトより)

趣店の前身は2014年3月に設立された「趣分期」という会社である。大学生に金融サービスを提供する学生ローン会社だった。融資を集めて発展途上にあったが、自殺事件などもあり、学生ローンに対する世間の風当たり、当局の規制とも強くなる。

趣分期は苦境に陥った。そこへ手を差し伸べたのはアリババグループのアントフィナンシャルである。2015年に2億ドルの融資を行ったのだ。それと同時に、支付宝(アリペイ)のデータも開放され、信用機構・芝麻信用との合作も進行した。

これにより2015年、売上2億3500万元に対して2億4000万元の欠損を出していた趣店の決算は、2016年には売上14億428万元と5倍増となる。2017年は上半期だけで、売上18億3300万元、純利益9億7300万元となり、利益率は53.1%に達している。

現在は独自のリスクマネージメント体系とビッグデータ体系により、全方位から個人の信用を識別しているという。そして主に若者層に対してクレジットカードのない後払いを推進している。たとえば頭金なしの後払いでレノボのパソコンを購入できるというサービスなどである。レノボなどメーカー側とも提携して新設計したものだ。また通常のスピードローンも続けている。

趣店の急成長を支えたのは、支付宝、芝麻信用など、アリババグループのもつデータ資産であったのは間違いない。

捜狗もニューヨーク市場上場へ