10月16~20日の東京株式市場は続伸した。日経平均株価は週明け23日に一時2万1700円台を付けており、目先的には2万2000円台を視野に入れる可能性もでてきた。22日投開票の衆院選で与党が大勝したことで、株式市場では引き続き「景気を刺激する経済政策」への期待感が先行しているようだ。
東証1部「予想配当利回り」ランキング
それでは、今回は東証1部の「予想配当利回り」ランキングを見てみよう。
(1)日産自動車 <7201> 1085円 2018/03 53円 4.88%
(2)フィールズ <2767> 1104円 2018/03 50円 4.53%
(3)京都きもの友禅 <7615> 934円 2018/03 42円 4.50%
(4)あおぞら銀行 <8304> 4330円 2018/03 184円 4.25%
(5)ウェルネット <2428> 1192円 2018/06 50円 4.19%
(6)双葉電子工業 <6986> 2098円 2018/03 88円 4.19%
(7)青山商事 <8219> 4110円 2018/03 170円 4.14%
(8)SANKYO <6417> 3715円 2018/03 150円 4.04%
(9)三晃金属工業 <1972> 3760円 2018/03 150円 3.99%
(10)アートネイチャー <7823> 712円 2018/03 28円 3.93%
※銘柄名、証券コード、20日終値、決算期、年間の配当額、配当利回り(%)の順。配当は予想ベース。順位はヤフーファイナンスに基づく。
上記ランキングは年間配当をベースとしている。配当額を未定としている企業も少なくなく、期末を超えるとランキングの顔ぶれが変わる可能性もある点には注意したい。
日産自動車、配当増額や株価下落で首位に
今回は上記ランキングから日産自動車、フィールズ、あおぞら銀行を取り上げたい。
日産自動車は自動車メーカー大手。フランスのルノーとアライアンスを形成しているほか、三菱自動車工業の筆頭株主でもある。
株式市場で、日産自動車は配当利回りの高い銘柄として知られている。同社は年間配当額を毎年増額しており、2018年3月期については1株につき53円を予定している。
ただ、最近は完成車の検査を無資格者が行っていたことが発覚し、100万台以上のリコールを発表した。その発表後も、無資格者が検査を続けている実態が明るみになり、国内向けの車両の出荷、販売を全て停止することを決めた。こうした不祥事を背景に株価が軟化したことで、配当利回りが高めになっている点は注意しておきたい。
フィールズ、業績悪化も配当額は維持
フィールズは遊技機(パチンコ機、パチスロ機)の企画開発や販売を手掛ける企業。2004年12月にジャスダック証券取引所に上場し、2015年4月に東証1部に移行した。
同社の2017年3月期における営業損益、純損益はいずれも赤字に転落した。パチンコ、パチスロの遊技機市場の低迷が主な原因と見られている。株価も低迷が続いているが、一方で配当予想は年間50円を維持しているため、配当利回りは上昇している。
あおぞら銀行、配当性向50%、積極的に株主還元
あおぞら銀行も、配当利回りを高めに設定している上場企業として知られている。業績に応じた配当を支払うことを原則とし、配当性向50%、四半期配当実施など積極的な株主還元を実施している。株価も復調の傾向にある。
10月19日、あおぞら銀行はIT企業のGMOインターネットグループと組み、傘下のあおぞら信託銀行をインターネット銀行「GMOあおぞらネット銀行」に改めることを決めた。2018年7月に事業を開始する予定である。(ZUU online 編集部)