総合不動産サービスの米ジョーンズ ラング ラサールは10月23日、The Business of Citiesとの共著で世界都市比較インデックスを分析したレポート「都市パフォーマンスの読解」を発表した。競争力のある世界都市ランキングの5位には東京がランクインしており、世界最高水準のグローバル都市としての地位を維持している。

競争力のある世界都市 「ビッグ7」と呼ばれる上位7都市とは?

世界都市
(写真=PIXTA)

レポートでは、300以上ある都市比較インデックスの中から44の比較インデックスを「企業のプレゼンス」、「ゲートウェイ機能」、「市場規模」、「インフラ基盤」、「人材」、「専門性のイノベーション」、「ソフトパワー」の7項目において分析、都市の現状や発展のレベル、新たなトレンドを不動産の観点から調査している。それに基づき、発表された競争力のある世界都市ランキングの上位7都市は次のようになっている。

1位 ロンドン
2位 ニューヨーク
3位 パリ
4位 シンガポール
5位 東京
6位 香港
7位 ソウル

これらの上位7都市は「ビッグ7」と呼ばれ、世界をリードする都市として存在感を発揮している。これまでは、ソウルを除く6都市で「ビッグ6」を形成していたが、ソウルがグローバル企業の躍進やインターネット環境の発達を背景に評価を上げ、「ビッグ7」となった。

これらの「ビッグ7」に続く都市は「挑戦者たち」と呼ばれており、8位のロサンゼルス、9位の上海、10位の北京等が「ビッグ7」を追いかける形となっている。

競争力の高い上位5都市 それぞれの抱える問題とは?

日本からは東京が5位にランクインし、「ビッグ7」の地位を維持している。過去10年間スコアを下げていたが、近年は回復傾向にある。2020年に予定されている東京五輪・パラリンピックに向けたインフラ整備が計画されている事が要因にある。成功する都市の10条件の中では、「イノベーション」、「人材」で2位、「負担可能な不動産コスト」で6位、「ブランドイメージ」で8位にランクインしており、これらの項目の評価が高い。一方で「インフラ」(13位)、「透明度」(19位)では課題を残す結果となっている。

4位にランクインしたのはシンガポールであり、アジア最上位となっている。スマートシティや交通インフラに関する面で高い評価を得ている。ただ、アジア諸国との競争は激化しており、ランキングの維持には相当な努力を要するとの意見も付けられた。

3位にはパリがランクインした。東京同様、過去10年間はスコアを下げていたが、こちらも2024年に五輪・パラリンピックの開催が控えており、インフラ整備に期待が掛かる。成功する都市の10条件の中では、2位となった「インフラ」を始め、「透明度」(5位)、「イノベーション」(7位)、「人材」(7位)の評価が高い。グローバル都市としての魅力を高める為の「グラン・パリ」計画も世界で最も野心的な都市整備計画として期待が掛かる。

2位はニューヨークである。1位のロンドンと並び、「ビッグ7」を牽引し続けている。成功する都市の10条件の中でもほとんどの項目で高い評価を得ているが、とりわけ「ブランドイメージ」(3位)、「人材」(3位)、「イノベーション」(3位)、「透明度」(4位)の評価が高い。一方で、トランプ大統領の下、保護主義を掲げた政策が散見されるようになり、移民の制限等による、国際競争力低下の可能性には注意が必要だ。

1位はロンドンとなった。成功する都市の10条件の中では、「インフラ」、「透明度」で首位となっている。他でもほとんどの項目で上位10位以内に入っており、総合力の高さが国際競争力の高さにつながっている。ただ、ロンドンもEU離脱問題を抱えており、そうした混乱が都市の魅力に与える影響については注視する必要があるだろう。

確立された世界都市に共通する課題

「ビッグ7」に次ぐ「挑戦者たち」の中にはアメリカや中国の都市が目立つ。これらの都市は近年急速に発展を続け、都市としての魅力を高めている。今後はグローバルなゲートウェイ機能やインフラ基盤等の整備が進めば、「ビッグ7」の仲間入りを果たす日も近いだろう。

レポートでは「ビッグ7」を中心とした確立された世界都市の課題についても3点指摘している。「住宅価格の急騰」、「不平等の拡大」、「大気汚染」だ。拡大のひずみとして生まれるこれらの課題は、放置したままにすれば、都市としての魅力の低下につながる可能性も高い。都市間の競争が激しくなる中、今後は都市の拡大と同時にこれらの課題への対処も踏まえたより総合的な観点での都市計画が求められるだろう。(ZUU online編集部)

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