政府による寛大な促進策が功を成し、実質上世界一のEV(電気自動車)市場となった中国。2016年には世界EV販売台数の45%に値する50万台以上のEVを売り上げた。しかし補助金が減らされた今年上半期は失速すると予想されている。
中国はガソリン車およびディーゼル車の生産・販売の停止時期について検討中であるほか、2019年までに各自動車メーカーに一定の新エネルギー車の生産を義務付ける新たな環境規制案の導入を予定している。
2016年の販売台数は前年比53% 環境整備に4286億円投資
政府は2013年、深刻化する大気汚染改善策として、新エネルギー車を対象とした購入補助金支給や自動車取得税免除などを実施。2016年には補助金を1台につき最高1.5万ドル にまで増額し、EVの販売台数を押し上げた。
中国汽車工業協会の統計によると、2016年の販売台数は前年比53%増の50万台と、世界一のEV市場へと成長を遂げた。
2020年までに充電ステーションの増設に250億人民元(約4286億円)を投じる計画を発表するなど、環境整備への投資にも積極的に取り組んでいる。同国にはすでに米国の約3倍に匹敵する、17万以上の充電ステーションが設置されている(Xinhuaデータ)。
しかし2017年に入り補助金が減らされているため、売上失速を懸念する声も多い。新エネルギー車の最大手メーカーBYD(比亜迪)の今年上半期の売上は20%減。値上げ実施の影響だと推測されている(フィナンシャル・タイムズ紙より )。
補助金は2020年には打ち切られる予定のため、今後の消費者動向が気になるところだ。