昨日の海外時間には、米法人税減税減税が段階的なものになる可能性と、次期FRB議長人事でパウエル理事が優勢と報じられたことなどから米長期金利が低下しドル売りが優勢となりました。

昨日の海外市場

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

欧州時間序盤、米長期金利やや上昇してドル買いが優勢となって、ドル円は113.70円台まで上昇し、ユーロドルは1.1600台まで下落しました。しかしすぐに米長期金利が低下する展開となるとドル売りが優勢となって、ドル円は113.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1640台まで、ユーロ円も132.20円台まで上昇しました。

NY時間序盤、一旦ユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.1600台まで、ユーロ円は131.60円台まで下落しました。しかしその後「下院共和党が法人税減税の段階的な導入を検討している」「次期FRB議長候補の中でタカ派的なテイラー教授ではなく比較的ハト派的なパウエル理事が有力」などと報じられたことから米長期金利が低下し、全般的にドル売りが強まって、ドル円は113.00円台まで下落し、ユーロドルは1.1640台まで反発しました。

NY時間引けにかけては、ユーロの買戻しが優勢となって、ユーロドルは1.1650台まで、ユーロ円は131.90円台まで反発しました。

東京時間にはいって一旦ドル円は113円割れを試しましたが、その後は日経平均が下げ幅を縮めていることなどからやや買い戻されています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは98%でかわらず、2018年6月の2回目の利上げは約62%にやや上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間にはユーロ圏・第3四半期GDP、ユーロ圏・9月失業率米・8月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米・10月シカゴ購買部協会景気指数、米・10月CB消費者信頼感指数の発表が予定されています。

今後の見通し

スペイン・カタルーニャ州情勢の混乱などでユーロ売りが進みましたが、スペイン政府が警察など州政府機関を平和裏に掌握した、との報道もあってユーロはやや買戻されました。一方米長期金利はタカ派的なテイラー教授の次期FRB議長就任の可能性が低くなったことなどから、今月24日以降の上昇分を消す動きとなっています。ここからのドル円の動きは米長期金利が引き続き低下を続けるか、に大きく依存すると考えられますが、今後米長期金利がさらに低下した場合、全般的にドル売りが強まると考えられますが一方でNYダウ、日経平均が上昇を続ければ、ドル円の下落は限定的なものになると予想します。

一旦ポジションをクローズ

先々週木曜日に作った112.60円のドル買いポジションは、今朝113円で決裁となりました。また昨日131.90円でかったユーロ円は131.60円で損切りました。今後は値動きを見ながらドル円、ユーロ円で再び買いポジションを構築したいと考えています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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