日経平均株価は2017年11月7日、25年10カ月ぶりの高値をつけ、2万2937円60銭で取引を終えた。バブル崩壊後の戻り高値を更新した。

アベノミクス以降、株式投資を始める個人投資家が増えたが、多くの個人投資家が未体験の高値水準にまで上昇している。好調な株式市場の状況を見て、株式投資に興味を持っている人も増えていることだろう。

株式投資では、投資先の銘柄や売買するタイミング次第では損失を被る場合がある。損失への抵抗感からか「危険」「投機的」と考え、株式投資を始めることに不安を覚える人も多い。株式市場が好調ムードで盛り上がる一方、マイナス金利政策が継続している日本では、銀行の預金金利は低金利の状況が続く。

大手銀行では、1年物の定期預金に100万円を預けて得られる金利は0.010%が一般的だ。受け取れる金額は、税引き前で僅か100円だ。銀行預金だけに頼っていては、お金は一向に増えない時代が始まって久しい。

配当収入を楽しむ株式投資

株式投資,配当金
(写真=PIXTA)

株価の変動で生じる損失だけを考えるため、株式投資に不安が募る。株式投資で利益を得る方法には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」がある。

キャピタルゲインは、株価の安い時に株式を購入して高くなったら売ることで、買った価格と売った価格の差額が利益となる。株価が変動することによって得られる利益のため、株価が値上がりすれば儲かるが、値下がりすれば損失を被る。損失をできるだけ回避するためには、売買タイミングに細心の注意を支払わなければならない。

一方、インカムゲインは、金融資産を保有することで安定的かつ継続的に得られる収入のことだ。株式投資では企業が株主に対して行う「配当」のことを指す。銀行預金であれば預金利息、不動産投資で言えば「家賃収入」に当たる。

そもそも株式は、株式会社が資金を集めるために発行するものだ。株式を買うことで、投資家は企業の株主になることができ、株主は企業への出資者=オーナーになる。企業は株主から集めたお金は返さなくてもいい。できれば多くの投資家に長期的に株主になってもらいたいため、企業は得た利益の一部を配当という形で株主へ分配、還元する。

高配当金企業はどうやって見つければ良いのか?

企業は業績に応じて配当を分配する。業績好調が持続的でなければ、将来にわたって現在の水準の配当金を受け取れるとは限らない。投資家としては多くの企業の中から投資先を選ぶわけだから、配当金が多いお得な企業を選びたい。

企業のIRページや、企業の業績等を掲載した冊子である会社四季報等を見ることで、1株当たりの配当金(年額)を知ることができる。配当金の金額を購入する株数で掛けることで、受け取れる配当金額を把握することができる。年間の配当金額は以下の算出式で求められる。

「 受取配当金額=1株配当金額×購入株数 」

銘柄によっても、購入するタイミングによっても株価は異なる。配当金額が変わらない場合、株価が安い時に購入した方がお得になる。株価に対する配当の利回り(配当利回り)が高くなるからだ。配当利回りは以下の算出式で求められる。

「 配当利回り(%)=年間配当金額÷投資金額×100 」

例えば、携帯電話国内大手のNTTドコモ <9437> で考えてみよう。2017年11月7日現在、終値は2807円である。10月26日に発表された「平成30年3月期第2四半期決算短信(米国基準)」によると、平成30年3月期の配当金額は50円である。例年通り中間期の配当金額が変わらなければ、年間の配当金額は100円になる。11月7日の終値でNTTドコモの株式を100株購入した場合、受け取れる年間の配当金は、100円×100株=1万円(税引き前)になる。配当利回りは、10000÷28万700円×100=3.56%になる。株価が安い時に購入した方が、配当利回りは高くなる。

あくまでも一例ではあるが、100万円を銀行定期に1年間預けて受け取れる金利は0.01%で100円だったが、3分の1の30万円以下でNTTドコモの株式を購入すれば、年間の配当金額は3.56%で1万円になる。仮に同じ100万円程度まで投資額を3倍に増額すれば、3万円の配当金を受け取れる計算になる。

一般的に、株式市場全体が底上げされて株価が高くなると、配当金額に変更がなければ配当利回りは低下する。しかし、企業業績が好調であれば配当金額は増額されるため、一概に株価が高くなったからと言って配当利回りが低下するとは限らない。

配当金は企業の業績、経済環境に大きく左右される。業績が好調なら増配だが、業績が悪化すれば減配、無配に変化するため、業績の推移を確認しておかなければならない。さらに、過去の業績の推移を参考にして、配当状況がどのように推移しているのかという点もできれば参考にしておきたい。

NISA口座活用の検討も

ところで、銀行定期で金利を受け取った場合、株式投資で配当金を受け取った場合など、一般的には税金が源泉徴収された金額(平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間、20.315%の源泉分離課税)で受け取る。

投資を普及させるために導入された2014年1月から始まった少額投資非課税制度、現行NISA(ニーサ)や、2016年1月から始まったジュニアNISAでは、NISA専用の口座を開設することで、その口座内で株式などを購入することができる。通常であれば利益に対して20.315%の税金がかかるが、NISA口座の投資枠で発生した利益に対しては非課税になる。NISA口座内にある上場株式の配当金などを「株式数比例配分方式」で受け取れば、非課税とすることができるようになるのだ。

NISA口座ではない「特定口座」や「一般口座」の場合には、株式投資などで損失が発生したら他の利益と損失を相殺=損益通算することができる。しかし、NISA口座の場合には、利益に対して非課税にできるメリットがある反面、購入した株や投資信託などに損失が発生しても、特定口座や一般口座の利益とは損益通算を行えないというデメリットがある。購入するタイミングには注意を払う必要はあるが、高配当の銘柄をある程度の期間保有する予定であればNISA口座をうまく使えば非課税で配当金を受け取れる。

最近は株式市場の上昇で、株価は一般的に以前よりも高くなっている。NISA口座には投資できる金額に上限があるため多くの銘柄を購入することは難しいが、銘柄によっては2、3銘柄購入できるだろう。高配当の銘柄をNISA口座で運用していけば年間の配当金もそれなりの金額になる可能性が高い。たとえば、前述のNTTドコモを120万円の範囲内で400株購入した場合を考えてみると、年間に4万円の配当金を非課税で受け取れる計算になる。

配当金を受け取るための注意事項

配当金を受け取るためには条件があることも覚えておきたい。配当を受け取るためには、配当を実施している会社の株主になり、さらに、決算期末の時点(多くの会社が3月末)で株主名簿に名前が掲載され、権利を確定した株主にならなければならない。配当を実施している企業の株主になっても、権利確定日に株主でなければ配当を受け取れるわけではない。

具体的には、株主名簿に掲載されるまでには3営業日かかるので、権利確定日の3営業日前(権利付き最終日)までに株を購入しなければならない。翌日の3月29日は権利落ち日で、権利を取得できなくなった状態である。

さいごに、配当を出している企業を探す方法だが、例えば、証券会社に口座を持っていれば、インターネットで銘柄を検索する機能=スクリーニング機能を使うことができる。検索する際に、希望する配当利回りの数字を入力することで銘柄を検索できる。他には、会社四季報などの冊子やオンライン版でも調べることができる。

マイナス金利時代だからこそ、自らがアンテナを張り巡らせて資産運用に挑戦してみるチャンスだ。配当金で安定運用の一歩を踏み出してはいかがだろうか。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「夕刊フジ」「All About株式戦略マル秘レポート」の連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でマーケットコメント等、株式投資や不動産投資といった資産運用をテーマに執筆、講演活動、 メルマガ の発行、株塾を行う。公式サイト「 @横山利香の資産運用コンシェルジュ

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