昨日の海外時間には、東京時間朝方に米法人税減税の1年先送りの可能性が報じられてドル売りが強まった流れを引き継いで、ドル円が113円台半ばを割り込む場面もありましたが、米長期金利が反発したことから円売りが強まってドル円は買い戻されました。今日の東京時間には日経平均が約26年ぶりに23,000円台に乗せたことから円売りが先行しました。

昨日の海外市場

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

欧州時間、欧州株が寄付きこそ高かったもののすぐに下落する展開となったことから円買いが優勢となって、ドル円は113.50円台まで、ユーロ円は131.60円台まで下落しました。この間ポンドも下落しましたが、ユーロドルは1.1600付近の小幅な値動きが続きました。

NY時間序盤、特段の新規材料はありませんでしたが、ストップ・ロスを巻き込んでドル円は113.40円付近まで、ユーロ円も131.40円付近まで下落幅を拡大しました。ポンドの下落が続く中、ユーロドルはもみ合いの中心を1.1590付近にやや下げました。

その後NY時間午後に10年債入札を控えて米長期金利が上昇を始めると円売りが優勢となって、ドル円は113.70円台まで、ユーロ円は131.90円付近まで反発しました。NY時間午後の10年債入札後
再び米長期金利が上昇したことから円売りが続き、ドル円は113.90円付近まで、ユーロ円は132.00円台まで上昇幅を拡大しました。

東京時間にはいって、日経平均が上昇して25年10か月ぶりに23,000円台に乗せたことからドル円は114円台を回復しました。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げは約66%にやや反発しています。

今日の予定

今日の海外時間には独・9月経常収支/貿易収支、米・新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

今後の見通し

日経平均は、今日午前の取引で23,000円台を25年10か月ぶりに回復しました。市場ではバブルでは、との見方もある中、機関投資家含めて買い遅れているのではとの見方もあって、このまま上昇が続く可能性も十分にあります。ドル円相場はこのところ日経平均との相関が弱くなっていますが、北朝鮮を巡る地政学的リスクの懸念と米長期金利の低下が重しとなっていると考えられます。地政学的リスクは完全になくなることはないでしょうが、一時の緊張感がなくなってきている中、米長期金利の低下が昨日止まり、今後反発するならば、ドル円は115円台を目指すと予想できます。

ドル円の買い場を探す

月曜日に作った114.00円のドル買いポジションは一旦113.50円で損切りましたが、再び113.70円付近での押し目買いを目指します。ポジションができた場合損切りラインは113.20円とします。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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