バリュー投資は、企業業績や・財務状態と比較して、割安な銘柄に投資する手法をいう。PER(株価収益倍率)、PBR(株価純資産倍率)といったファンダメンタルズの指標をベースに割安な銘柄に着目する。今回はこれら指標の中からPERとは何か、PERはどんなファクターに影響されるのかについて考える。

さまざまな投資手法

PER,バリュー投資
(写真=Vintage Tone/Shutterstock.com)

投資手法は、大きく分けて3種類ある。

配当・分配金・賃貸収益などのインカムゲインを重視する投資を、コア投資と呼ぶ。コア投資の代表格がJ-REITである。である。

次に、企業の成長性に着目して投資する手法がグロース投資だ。PERやPBRが割高で、配当利回り等が低くても、将来業績が伸びると見込まれるなら投資する。株価の上昇が期待できるからである。

3番目が、冒頭に紹介したバリュー投資だ。バリュー投資は、ウォーレン・バフェット氏が成功をおさめた手法としても知られている。

相場が下落したとき、会社の特殊事情(商品の不具合が見つかった等)で株価が下がるなどしたときに、一時的に株価が割安になる。そうした時を見透かしてバフェット氏は株を買収する。

1973年にバフェット氏がワシントンポストの株を買収したのも、ちょうど相場の地合いが悪い時期だった。同社の株価も40%値を下げており、時価総額は8000万ドルだった。バフェット氏は同社の価値を4〜5億ドルと見込んだのだ。

バフェット氏が買ったのは1000万ドル、その後、資産総額は2005年時点で10億ドルまで膨らんだ。

「PER」とは何か

Price Earning Ratioを略してPERと呼ぶ。その会社の税引後当期純利益を自己株式控除後の発行済み株式数で割ると1株当たり利益(Earnings Per Share、EPS)が求められる。株価をこのEPSで割った倍率がPERである。

例えば、11月8日の日経平均株価終値は22913.82円である。EPSが1506.50円なので、PERは22913.82÷1506.50円=15.21倍となる。一般的には、こうした市場平均との比較やその会社の過去実績推移から割高・割安が論じられる。

ちなみに1株当たり利益の計算に、以前は自己株式を含んだ発行済み株式総数で計算していたが、現在はより実態に近づけるために自己株式控除後が主流になっている。

業種によって異なる「PER」

業種によってもPERは大きく異なる。株式関連のサイトでは業種別平均を計算しており、その会社のPERが業種別平均と比べて高いか低いかも調べることができる。

PERが低いからといって直ちに割安ということにはならない。事業譲渡による特別利益の計上など一時的な利益がPERを押し下げている可能性もある。

逆に、将来の伸長が見込まれる成長分野や新興企業は、PERが押し上げられがちである。

業種別にみると、石油・エネルギー、銀行業、空運業、保険業、証券業、輸送機器、卸売業のPERが低く、逆に医薬品、サービス業、小売業のPERは高い。

商社株はなぜ割安にとどまるのか

2017年11月9日時点の日経平均株価の平均PERは15.33であるが、三菱商事 <8058> 9.41、伊藤忠商事 <8001> 7.84、三井物産 <8031> 7.76、住友商事 <8053> 8.01(11月9日時点のYahoo!ファイナンスより)と、総合商社株のPERはおおむね低い。その理由の一つがコングロマリット・ディスカウントと呼ばれている。

コングロマリットとは、相互にあまり関係のない、数多くの事業を営んでいる企業を指す。例えばヘルスケア企業のジョンソンエンドジョンソンは、絆創膏といった一般消費者向け製品群から、医療用医薬品や医療機器まで取り扱っている。

総合商社も、こうしたコングロマリットの代表格である。コングロマリット・ディスカウントとは、事業の多角化に伴い経営資源が分散化することにより成長を阻害し、企業価値が各事業価値の合計を下回ることを指す。逆に、事業同士がシナジーを発揮し、企業価値が各事業価値の合計を上回ることをコングロマリット・プレミアムという。

つまり投資家は、商社が事業多角化によるシナジーを発揮できていない、むしろ経営資源の分散を招いていると見ているのである。(ZUU online編集部)

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