給付金や手当金などは申請をしないと受け取ることができないことがある。せっかく受け取る資格があるのに、申請をしないなんてもったいない。ここでは、結婚、出産、育児に関する申請しなければ受け取れない助成金を6つ紹介する。

(1)新婚世帯応援家賃助成金

子育て
(画像=(写真=PIXTA))

新婚の世帯であれば受け取れる家賃助成金がある。例えば千代田区では、結婚後2年以内の新婚家庭に家賃の2割の金額、1世帯あたり月額1万円を上限として24ヶ月間家賃の一部を補助している。助成金を受け取るには転入の前1年間千代田区に住所がないことや、結婚から2年以内で夫婦二人とも40歳以下であることなどの条件を満たす必要がある。

他の市区町村でも同じような家賃の助成金制度はあるので、自分は該当するかもしれないと思ったら、問い合わせてみると良いだろう。

(2)妊婦健康診査費助成金

妊娠がわかったら、住んでいる区市町村の窓口に早めに届けて母子手帳の交付を受けるようにしよう。母子手帳の交付と共に、妊婦健康診査受診票を受け取ることができる。妊婦健康診査受診票があると、妊娠確定後の1回目の検査と、その後2〜14回目の検査、超音波検査、子宮頸がん検診の費用の一部を助成してもらえるのだ。

1回の妊婦健康検査の費用は5千円から1万円だが14回受けると10万円を超える金額となるため、この受診票は必ず受け取るようにしよう。もし受診票を使わずに受診した場合は、妊婦健康審査費助成金を受け取ることができる。

支給金額は、定められた助成金額と自己負担をした額を比較して、少ない方の金額となり、助成金額を超えた費用については、自己負担となる。申請には申請書のほか、領収証原本のコピー、母子手帳などのコピーが必要である。

申請ごとに申請書と添付書類が必要なため、全ての妊婦健康審査が終わってからまとめて申請するといいだろう。申請から振り込みまではおおむね2ヶ月ほどかかる。

(3)里帰り出産妊婦健康診査費用助成制度

実家に戻って里帰り出産をする場合、里帰り前の自治体で受け取った妊婦健康診査受診票は使えない。しかし、支払った費用の領収証を出産後、住んでいる自治体に提出することで費用の一部について助成を受けることができる。申請の期限は出産後1年のところが多いようだ。

申請は未使用の「妊婦健康診査受診票」「妊婦超音波検査受診票」「領収書」「母子健康手帳」「印鑑」「預金通帳」「本人確認書」などの書類を揃えて、保健所または保健センターの窓口へ申請する。保健所などが受理した月の翌月末に振り込まれる。

(4)出産育児一時金

産科医療補償制度に加入している病院、産院での出産の場合、一人につき42万円、双子の場合は84万円を出産育児一時金として受け取ることができる。

会社員の場合は健康保険から、扶養の妻の場合は世帯主の健康保険からの支払いとなる。一時金は健康保険から病院へ直接支払いのため、実費が42万円を越える場合は差額を支払う必要があるが、実費が42万円以下の場合は、差額を自分に振り込んでもらうことができる。

会社員・公務員は、勤務先の健康保険窓口へ申請し、自営業など、国民健康保険に加入している場合は、住んでいる自治体の健康保険窓口へ申請する。

(5)出産手当金

出産手当金は健康保険に加入している本人が出産した場合、給料がもらえない期間の補償として支払われる。標準報酬日額の3分の2の金額が、出産予定日前42日間と出産後の56日間のうち、給料の支払われなかった日数分が支払われる。予定日よりも早く出産すると前半の42日よりも短くなり、反対に予定日よりもする。

手続きをスムーズに行うために、産休に入る前に健康保険組合に申請書をもらっておくと良いだろう。また申請には出産した病院や産院の記入欄があるが、病院や産院などによっては文書料がかかる場合があるので、あらかじめ確認しておこう。早ければ申請から2週間程度、遅くても2ヶ月程度で出産手当金が振り込まれる。

(6)育児休業給付金

育児休業給付は、子供が1歳を迎える前日まで養育のため育児休業を取得した、父、母に支給される。また、派遣社員や契約社員でも継続して1年以上勤務の実績があるなどの要件に該当すれば申請することができる。これまでは保育所などに預けることができないなどの理由がある場合には1歳6ヶ月の前日までは延長することができる。

さらに平成29年10月1日より2歳を迎える前日まで延長することができるようになった。育児休業給付金の請求には育児休業基本給付金の申請書と受給資格確認票が必要で、自分でハローワークに申請することもできるが、会社が本人の代わりに申請することもできる。一般的には会社から申請することが多い。

子供が1歳を迎える頃になっても保育所などに預けることができない、ケガをして働けない、配偶者が死亡したなどの理由があり、1歳6ヶ月まで引き続き育児休業給付を受けるためには、1回目の延長の手続きをすることになる。手続きには保育園に入所できないときは、不承諾所と育児休業申請を提出し、さらに、育児休暇が必要なときは、2回目の延長手続きをすることによって、2歳を迎える前日まで取得することができる。

給付金や手当金などは申請をしないともらえないものが多い。特に出産、育児に関する給付金などは高額になることが多いので、該当する物があればしっかりと申請をしよう。また、タイミングが遅くなると遡ってもらえないことも多いので、早めに申請するようにしよう。

黒須かおり ファイナンシャルプランナー(AFP) 女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてライフプランのコンサルティングを行う。住宅ローンや教育費から、相続や老後のマネー相談まで、幅広い資金計画のアドバイスを手がけている。現在女性起業家を中心とするコンサルタントとしても活動中。 FPCafe登録FP

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