上場企業の過去最高益を更新する中間決算の発表を受けて、日経平均株価は上昇ピッチを加速し、マーケットが熱を帯びた状態に包まれた。好調な企業業績は、底堅い成長を続ける世界経済に支えられ、その効果は日本のみならず、お隣の韓国でも類似のトレンドを見せる。

最大財閥のサムスン電子は、2017年第3四半期決算で過去最高の営業利益をたたき出すなど日本企業に劣らぬ勢いを見せた。一方、好調なマーケット環境にも関わらず、政治的な問題から苦戦を強いられた韓国企業も目立った。

半導体事業が好調に推移、携帯事業も復調

サムスン,韓国企業
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サムスン電子が10月末に発表した17年第3四半期決算によると、売上高は前年同期比29.6%増の62兆500億ウォン(約6兆3900億円)、営業利益は同2.8倍の14兆5300億ウォン、最終利益は同2.5倍の11兆1900億ウォンとなった。

セグメント別でみると、好調な業績をけん引したのは同社の中核である半導体事業だ。スマートフォン向けの需要が旺盛で、DRAMやNANDの売り上げが伸びたことが利益拡大に繋がった。半導体の需要と供給バランスは引き続きひっ迫する見通しで、2018年にかけての売り上げも堅調に推移するとみている。さらに、ディスプレイパネル事業で、米アップルの最新スマホ「iPhone X」向けの有機ELディスプレイの供給が増加することから、ライバル社の新モデルのスマホがヒットすれば、サムスンにも利益をもたらす構造となっている。

その携帯電話事業は、2016年に自社ブランドの「Galaxy Note7」が発火問題を引き起こし、世界的なリコール対応を迫られ業績の足を引っ張る格好となった。しかし、17年第3四半期決算ではITと携帯事業は3兆2900億ウォンの営業利益を計上し、前年同期の1000億ウォンから飛躍した。リコールを引き起こしたモデルの後継となるNote 8の販売に加え、「J」シリーズも人気を集め、売り上げアップに貢献。ライバル社とのし烈なシェア争いが続くスマホ市場だが、年末商戦を控え、さらなる需要の高まりが見込めるという。

世界的な景気回復が継続する局面では、消費者のスマホをはじめとする電子機器の購入、買い替え意欲が積極的で、こうした環境がサムスンの好調な業績を支えた。

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