昨日の海外時間には、米長期金利が低下する中北朝鮮による弾道ミサイル発射の懸念が高まって円買いが強まりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、米長期金利が低下したことからドル売りが優勢となって、ドル円は111.10円台まで下落し、ユーロドルは1.1950台まで上昇しました。しかし米長期金利が反発したことからドルも買戻しが優勢となって、ドル円は111.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.1920付近まで下落しました。

NY時間午前にかけて、再び米長期金利が低下する流れになったことからドル売りが優勢となって、ドル円は110.80円台まで下落し、ユーロドルは1.1960付近まで上昇しました。その後トランプ大統領が「減税法案は非常にうまくいっており、大きな支持を得ている」とツィートしたことから米長期金利が反発し、ドル買いが強まって、ドル円は111.20円台まで上昇し、ユーロドルは1.1920台まで下落しました。

NY時間午後にはいって、米長期金利が反落する中「北朝鮮による弾道ミサイル発射準備を窺わせる電波信号が補足され、警戒を強めている」と報じられるとリスク回避の円買いが強まって、ドル円は110.80円台まで下落し、ユーロ円は132.00円台まで下落しました。NY時間引けにかけて米長期金利が下げ止まったことからドル円は111.10円台まで反発しました。この間ユーロドルは1.1890台までじり安となっています。

東京時間にはいって、日経平均が上昇していることから円売りが優勢となっています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約75%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には独・10月小売売上高指数、米・9月S&P/ケースシラー住宅価格指数、米・11月CB消費者信頼感指数の発表と、ハーカー・米フィラデルフィア連銀総裁の講演、パウエルFRB理事のFRB議長指名公聴会が予定されています。

今後の見通し

昨日は日本政府関係者による「北朝鮮による弾道ミサイル発射準備を窺わせる電波信号が補足され、警戒を強めている」との報道でリスク回避の円買いが強まりました。これまでの経験からすると、北朝鮮絡みの地政学的リスクでは、一時的には円買いが強まるものの、長続きはしていません。もちろん実際に物理的な被害があればこれまでとは全く違った反応になることが予想されますが、そのような事態にならなければ長期的な影響はないと考えられます。一方米長期金利が再び直近2週間の最低水準まで低下していて、今晩の米経済指標結果や、パウエルFRB理事のFRB議長指名公聴会での発言によってはもう一段低下し、全般的なドル売りに繋がる可能性があります。

ユーロドルを押し目買い

全般的なドル売りとなった場合、ポジションが溜まっているドル円よりも、ユーロドルのほうが妙味が大きいと考えられることから、昨日に引き続き1.18台半ばでユーロドルを押し目買いしたいと考えます。損切りラインは1.18割れ、利食いは1.20付近です。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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