昨日の海外時間には、北朝鮮が大陸間弾道弾と見られるミサイル1発を発射したことから円買いが強まる場面もありましたが、上院予算委員会が税制改正法案を可決したことからドル買いが優勢となりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間序盤、一旦ユーロが強含む場面もありましたが、全般的にドル買いが優勢となってドル円は111.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.1870台まで下落しました。

NY時間にはいると、米長期金利が低下してドル円は111.10円台まで下落し、ユーロドルは1.1900付近まで反発しました。しかし各国株価が堅調に推移する中再びドル買いが優勢となって、ドル円は111.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1860台まで下落しました。しかしFRB議長指名公聴会でパウエルFRB理事が「インフレ率の推移が低いと見られれば、よりゆっくりとした利上げとなる」と述べたことから米長期金利が低下してドル売りが優勢となって、ドル円は111.00円台まで下落し、ユーロドルは1.1880台まで反発しました。

NY時間午後にはいって、英テレグラフ紙が「英国とEUが離脱に伴う精算金で合意」と報じたことからポンドが急騰する一方ユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.1860台まで下落し、ドル円はポンド円の買いもあってか111.40円台まで上昇しました。

東京時間午前3時過ぎ、北朝鮮が大陸間弾道弾と見られるミサイル1発を発射したことから円買いが強まって、ドル円は111.00円台まで、ユーロ円も131.70円台まで下落しました。しかし被害がなかったことからすぐに円は売り戻され、ドル円は111.30円台まで、ユーロ円は132.00円台まで反発しました。

その後米上院予算委員会が税制改正法案を可決すると米長期金利が上昇してドル買いが強まって、ドル円は111.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1820台まで下落しました。

東京時間にはいって、日経平均が堅調に推移していることから円売りが優勢となっています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約75%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間にはユーロ圏・11月業況判断指数、独・11月消費者物価指数、米・第3四半期GDP/個人消費/GDP価格指数/コアPCE(改定値)、米・10月中古住宅販売保留指数の発表のほか、米・ベージュブック(地区連銀経済報告)の公表、ダドリー・米NY連銀総裁、イエレン・米FRB議長、ウィリアムズ・米サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されています。

今後の見通し

昨日ご紹介したように、北朝鮮絡みの地政学的リスクで一時的に円買いが強まりましたが、実際の被害がなかったことから影響は限定的なものでした。一方、イギリスとEUが清算金で合意したと報じられたことや、米上院予算委員会が税制改正法案を可決したことから全般的にリスク選好の動きが強まって、各国株価が堅調に推移しています。今後もこの流れが続けば、リスク選好で緩やかなドル売り、円売りの動きとなると考えられます。

なお本日午後0時半から北朝鮮が「重大発表」を行うと報じられていて、ややリスク回避の動きとなっています。

ユーロドルの買いポジション

昨日1.1840でユーロ買いドル売りのポジションを作りました。損切りを1.18割れにおいて1.20付近での利食いを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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