「パーマネントトラベラー(PT)」とは「永遠の居住者」を意味します。世界のあらゆる国を渡り歩き、国ごとの気候や文化、制度などを上手く活用して居住地を転々とし、効率的かつ豊かな人生を送る人たちを言います。土地に縛られないPTの生き方をのぞいてみましょう。

移動の自由度が高い日本人はPT向き

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(写真= Twinsterphoto/Shutterstock.com)

PTは、経済のグローバル化およびテクノロジーの進化によって可能になった生き方だといえます。昨今は世界がシームレスにつながるようになり、タイムラグを感じさせずにさまざまな情報を手に入れられるようになりました。

日本のパスポートは国際的な信用が高いため、多くの国でビザなし訪問ができます。移動の自由が国際的に保障されている日本人は、PTという生き方にマッチしていると考えられます。

各国の制度を合法的に活用する

PTは、国籍を持つ国、家を持ち住む国、ビジネスをする国、資産を運用する国、余暇を楽しむ国を使いわけて生活しています。

昨今、例えばITやクリエイティブ系、投資関係、不動産マネジメントなどのスキルがあれば、必ずしも「居住地=働く場所」とは限らず、世界中どこからでもビジネスをすることができます。ノマドワーカーと呼ばれる人たちがこうした「場所にとらわれずにどこでも仕事ができる人」であるなら、PTはさらに一歩進んで「各国の制度を合法的に活用して、効率的かつ豊かな暮らしを送る人たち」だといえます。

例えば、日本のパスポートを持ちながら、法人税率の低いシンガポールで起業した場合、シンガポールは生活コストが高いので、タイやマレーシアなどのコストが安い周辺国を行き来しながら余暇を楽しむことも可能です。

マレーシアのMM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム、通称エムエムツーエイチ)のような長期滞在者向けのビザを発行している国もあり、気候のいい時期は日本で暮らし、寒さの厳しい冬や酷暑の夏場、花粉症の時期などは海外暮らし……という人もいるようです。

「税制」と「カントリーリスク」を見極める

PTが滞在地や投資先を選ぶときに重視しているのは、その国の「税制」です。世界の多くの国では「183日ルール」というものを設けており、1年間の半年以下(182日)までその国に滞在した人を非居住者とし、183日以上滞在した人を居住者とみなしています。

居住者には課税されますが、非居住者には課税されません。例えば、日本国籍を保有するPTが日本に戻ってきて買い物をする場合、すでに住民票を抜いているのであれば非居住者の扱いになるので、消費税8%が還付されます。

ある程度、資産のあるPTなら、世界中に点在するタックスヘイブン(租税回避地域)を活用して、資産運用をしています。PTは節税の仕組みをうまく活用することで賢く資産を増やしているのです。

また、滞在先を決めるときに重視したいのは「カントリーリスク」です。日本は世界でも治安が良く政治的にも安定している国であることは間違いありませんが、地震や風水害などの災害が多いのがリスクです。一方、例えばリタイア後の長期滞在先として人気のマレーシアは、地震や台風といった災害が少ないことで人気を集めています。

ただ、どの国もまったくリスクがないわけではありませんので、自身が居住国を決めるときは「どの点を重視したいか」という視点で見ることが必要です。

人生とは旅である

IT技術の発展により、以前では考えられない働き方が実現しています。決して特別な人だけが出来ることではなく、調べれば様々な方法が存在します。

サッカー日本代表として活躍した中田英寿氏は、「旅とは人生であり、人生とは旅である」と言い、29歳での電撃引退後の4年間はPTだったと言われます。PTは「永遠の旅人」と言われますが、国籍を放棄しているわけではないので、旅に飽きたらいつでも帰ってこられるのがメリットです。たとえ一時期だけであっても、世界を見て回り広い視野を持つことで人生が大きく変わる可能性があると言えるかもしれません。

(提供:THE LIFES

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