12月に入り新しいカレンダーなどを目にすると「今年も終わり」という雰囲気になってきます。今年もいろいろなことがありましたが、「終わりよければ・・・」ということになると良いと思います。株式市場は米国でもナスダック指数が大きく下落するなど明らかに変調となっており、買われ過ぎの修正は行われそうです。

バブル期には買われ過ぎの修正など行われないもので、いつまでも株価は上がり続けるものだという錯覚に陥ります。バブル期だけということでもないですが、何だかんだと理由をつけては上値を買い上がる材料を探すということです。特に買う理由がなければいくら上昇しても買う必要はないと思います。上がるから買うということで買ったのであれば、上がらなければ売らなければならないというように考えておくということも必要です。

米国市場はダウ平均は堅調となったもののナスダック指数が大きく下落したことや為替も円高気味となったことから、本日の日本市場も売り先行となりそうです。夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物も売られており、調整感が強まっているなかでここまで買われ過ぎた感の強い半導体関連銘柄などを中心に売られそうです。小売り株など内需株が下支えとなるかどうかというところですが、あくまでも個別に物色されるということになりそうです。

23,000円水準での上値の重さが確認されたという感じで、今度は下値を試す動きになるのでしょう。22,500円~600円水準で値固めとなるか、25日移動平均線や基準線のサポートを確認することになるものと思われますが、サポートを割り込むと案外大きな調整ということもありそうです。週末の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑などもあって動きが大きくなるということもありそうで、22,000円水準を試すこともあるかもしれません。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

昨日も冴えない展開となりましたが、日銀の買いは入りませんでした。黒田日銀総裁は「何も変わっていない」と述べていますが、やはり、スタンスとしては変わって来ているのではないかと思います。銀行の中間決算を見ても持ち合いの解消が進んでいるということですし、あえて日銀が銀行の持ち株を肩代わりするという必要も少なくなってきたということでしょう。

日銀の買いが入らないからと言って株価が下落するということでもないのでしょうが、米国株式市場も同じですが、調子に乗って買い過ぎた修正はあっても良いのではないかと思います。12月ということでの持高調整の売り買いも出てくるものと思われ、空売りの買い戻し一巡感もあって冴えない展開が続くのではないかと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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