昨日の海外時間には、NYダウなどが堅調に推移して、リスク選好の動きで円売りが優勢となる中「トランプ米大統領はインフラ整備計画を来年1月に発表」と報じられたことからドル買いが強まりました。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、東京時間の流れを引き継いで各国株価が堅調に推移する中ドル買いと円売りが優勢となって、ドル円は112.80円付近まで、ユーロ円は132.90円台まで上昇し、ユーロドルは1.1770台まで下落しました。

NY時間にはいって、米長期金利が一旦低下するとドル売りが優勢となって、ドル円は112.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1800付近まで上昇しました。

NY時間午後にはいると米長期金利が反発を始める中「トランプ米大統領はインフラ整備計画を来年1月に発表し、政策課題を推進し続ける方針」と報じられたことからリスク選好の流れで円売りが強まって、ドル円は113.10円台まで、ユーロ円は133.20円台まで上昇しました。一方ユーロドルは、独SPDが党大会でメルケル首相のCDUとの連立協議支持を可決したことから1.1810台まで上昇したあと、全般的なドル買いが強まったことから1.1770台まで反落しました。

東京時間朝方、米議会が2週間の暫定予算案を可決して政府機関の閉鎖を回避したことからドル買いが優勢となっています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約81%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には米・11月雇用統計の発表があるほか、独・10月貿易収支/経常収支、英・10月鉱工業生産、英・10月貿易収支米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表があります。

今後の見通し

引き続き米税制改革に対する期待でリスク選好の動きが底流にある中、トランプ政権が来年1月30日の一般教書演説に先立って、インフラ整備計画の発表をする、と報じられたことから米長期金利が上昇してドル買いが強まりました。米長期金利は水曜日にエルサレム問題を受けて一旦は最近の最低水準近くまで低下しましたが昨日一気に反発しています。NYダウも最高値からやや反落していましたが昨日は上昇して、リスク選好の動きが戻っています。

ロシア・ゲート問題や、今晩行われる緊急国連安全保障理事会でエルサレム問題が討議されることなどリスク後退になる要因も残っていますが、市場はポジティブな材料に反応しやすくなっていると考えられます。

押し目を待つ

押し目買いをしたかったのですが、昨日の東京時間からは押し目らしい押し目もなく上昇している為、ポジション構築に至っていません。ただ、今晩は米雇用統計の発表があることと、113円台半ばには日足一目均衡表の抵抗帯(雲)上限などテクニカル的なポイントがいくつかあることから、高値掴みのリスクを避けるため、このまま112円台前半での押し目買いを待ちたいと考えます。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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