今年も残すところあと1カ月を切った。2017年にも、たばこや居酒屋、ファミレスから日経新聞の購読料に至るまで多くの物が値上げされている。原材料価格の高騰と人手不足による人件費高騰が物価を直撃した。来たる2018年にも、既に多くの商品やサービスが値上げを予定している。2018年に値上げを予定している代表的な物を紹介する。

値上げ
(画像=PIXTA)

小麦粉

小麦粉は年初早々から値上げとなる。日清製粉グループ本社 <2002> 傘下の日清フーズは2018年1月4日出荷分から家庭用小麦粉で約1~3%、家庭用ミックスで約2~4%の値上げを行う。日本製粉 <2001> や昭和産業 <2004> も2018年1月4日出荷分から同程度の値上げを実施する事を発表している。

値上げの背景にあるのは、原料となる輸入小麦の政府売り渡し価格の引き上げだ。10月より5銘柄平均で3.6%の価格引き上げが行われており、原価上昇を製品価格へ反映させる格好となる。業界各社は家庭用に先立って、業務用小麦粉の値上げを2017年12月20日出荷分より行う。家庭用、業務用共に値上げとなり、影響は多岐に渡る可能性がある。

ゆうパック

日本郵便の手掛ける宅配便「ゆうパック」も2018年3月1日から値上げとなる。荷物のサイズによって値上げ幅は異なるが、平均で12%の引き上げとなる。

インターネット通販の拡大による宅配便取扱量は増加の一途を辿るが、ここにきて人件費の上昇が顕著となっており、値上げを決めた。宅配便では業界1位のヤマト運輸が10月に、業界2位の佐川急便が11月に値上げを行っており、それに追随する形となる。

ビール

2018年春にはビールも値上げを予定している。アサヒグループホールディングス <2502> 傘下のアサヒビールは3月から、キリンホールディングス <2503> 傘下のキリンビール、サントリーホールディングス、サッポロホールディングス <2501> 傘下のサッポロビールの3社は4月からの改定となり、各社10%前後の値上げとなる。

値上げの要因は酒離れによる消費量の減少に加え、物流等のコスト負担の増加がある。各社のビール系飲料の採算は厳しくなっており、値上げに踏み切る。また、6月に強化された酒類の安売り規制も影響している。安売り規制では、正当な理由無しに原価を下回る価格で販売を続けた場合、社名の公表から酒類免許の取り消しまで厳しい処分が待ち受ける。現状では原価割れの状態となっているケースもあると見られ、法令順守の観点からも値上げを行う必要に迫られていた。

今回の値上げは、瓶詰めや樽詰めのビール系飲料等、主に業務用の商品が対象となり、缶ビールについては、各社値上げの対象としていない。しかし、缶ビールも6月の安売り規制強化を受け、店頭価格は上昇している。業務用の値上げにより、居酒屋等の飲食店での値上げも加われば、家計への影響が大きくなる。

ワイン

ビールに続き、ワインの値上げも予定されている。アサヒビールは主力のチリ産ワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」等の15ブランド87品目を2018年4月に値上げする事を発表した。出荷価格を平均で約5%引き上げる。

世界的な気候変動によって、産地が打撃を受け、調達価格が上昇している事を受けた値上げとなる。ワインの値上げを発表しているのは、8日現在ではアサヒビールのみとなるが、ビール同様、他社が追随する可能性もある。

アイス

森永乳業 <2264> は家庭用アイスクリームの一部商品の希望小売価格を2018年3月1日から10%引き上げる。「ピノ チョコアソート」等の4商品が対象となる。

原材料である乳原料や包装資材の価格高騰に加え、物流コストの増加も影響した。アイスについては、2016年に25年ぶりの値上げを決めた赤城乳業の「ガリガリ君」を始め、価格高騰を商品価格に転嫁する動きが広がっており、2018年もこの流れは続く可能性がある。

冷凍食品

テーブルマークは家庭用冷凍食品の一部を2018年2~3月にかけて引き上げる。パックご飯の出荷価格を2018年2月1日納品分から約1~17%、冷凍うどんや冷凍お好み焼き等を2018年3月1日納品分から約3~16%引き上げる。こちらも、原材料や包装資材、物流コストの高騰が影響している。(ZUU online編集部)