昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

注目の11月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比22.8万人増と市場予想の19.5万人増を上回ったものの、11月平均時給(前月比/前年比)が市場予想+0.3%/+2.7%が結果+0.2%/+2.5%となり、ドル円は113.10円台まで下落しました。しかし、東京時間に付けた安値(113.084円)を下抜けることはなかったため、次第に買い戻しの動きが強まりました。FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約81%で変わらずでした。

今日の予定

今日の海外時間には米・10月JOLT労働調査が予定されているものの、ほぼ重要指標は皆無となっています。

今後の見通し

今週はイベントが多数控えており、本日に関しては相場の強弱を推し量る日になりそうです。13日にはFOMC、14日にECB、BOE、トルコ中銀にスイス国立銀行による政策金利が発表されます。また、14-15日にかけて欧州連合(EU)首脳会議が控えており、離脱条件(Brexit清算金、在英EU市民の権利保障、アイルランドと北アイルランドの国境問題)に関する議論の終了とともに、Brexit後の通商問題や移行時期などを決める第2段階へのステップアップが正式に承認される見通しです。

メインシナリオとしては、Brexit後の経済的な混乱を回避するための移行期間が設けられる可能性を先取りするフローがメインになると考えられ、メイ・英首相とユンケル委員長の会談で離脱条件に関する大筋合意が実際に発表されると、一旦「噂で買い、事実で売り」のセオリー通りの動きとなったため、次はポンドの押し目探しがポイントになりそうです。欧州連合(EU)首脳会議後には、再び「噂で買い、事実で売り」の展開になるかもしれませんが、まずは反落したポンドの買い戻しが主導するのではないでしょうか。

引き続き押し目を待つ

ポンドの動向を一番反映すると言われているユーロポンドが、サポートとして考えられていた0.8750ポンドの水準を一時下抜けました。一旦反発しているものの、再度このラインを下抜けるようだとポンド高が一気に進む可能性がありそうです。また、ポンド円の目新しいレジスタンスが160円付近まで見当たらないこともポンド円上昇基調をサポートするのではないでしょうか。ポンドドルも年初来高値である1.3650ドルは上値抵抗として意識されそうですが、年初来高値は十分射程圏内に入ったと考えることができそうです。

理想的な利食いのポイントはポンド円では160円、ポンドドルでは1.3650ドル上抜けである1.3800ドル付近を意識したいところですが、買い場としては素直に成行、もしくは慎重にポンド円であれば150円、ポンドドルであれば1.3300ドル付近まで待つ戦略にも妙味がありそうです。ただ、この戦略は欧州連合(EU)首脳会議までの限定戦略、水準がどうであれ欧州連合(EU)首脳会議までには一旦の手仕舞を推奨します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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