できる人は、「太めの青ペン」を使う!

資料,ひと言
(画像=photolibrary)

資料作成においては、まず何よりその内容やレイアウトが大切だ。しかし、受け取った相手が同じような資料をいくつも抱えているとき、より目を引き、印象に残るよう差をつけるとすれば、どういったことができるのだろうか。「手書きで一筆添えること」を推奨するむらかみかずこさんにうかがった。《取材・構成=西澤まどか》

「手書きのひと言」は意外と効く!

苦労して作ったビジネス文書や資料。できることなら、相手にきちんと見てもらい、判断してもらいたい……。上司に見せる企画書や稟議書ならばもちろん通したいし、社外に送るプレスリリースや資料ならば、たくさん反響があってほしいものです。そんなとき、気をつけたいのが資料の渡し方や送り方。いかに完璧な資料を作っても、それを送る封筒の宛名の文字が間違っていたら、相手に不信感を抱かせてしまいます。

宛名を間違えないのは最低限として、文書を見せる・送るときに相手に好印象を与えることはできるのでしょうか。それには、「手書きのひと言」を添えるのが効果的です。今の時代、資料はパソコンで作るものですし、コミュニケーションツールも電話やメール、社内チャットなどがほとんど。だからこそ、手書きのメッセージによって、相手に強く印象づけることができるのです。

すべての文書に手書きを添える必要はありませんが、目にとめて欲しいとき、より大事な資料として相手に認識して欲しいときなどは、手書きメッセージがあるとプラスアルファになります。

付箋をつけるだけでも良いのですが、より印象に残り、一歩進んだ好感度を与える方法として、「一筆箋」を使う方法もお勧めです。一筆箋であれば、短い文章でも様になり、たった2、3行のメッセージでも、付箋に比べて見栄えがして丁寧な印象を与えます。

一筆箋の書き方で大事なことは、たった三つ。「あいさつ・ねぎらいの言葉」「用件」「締めの言葉」を書くことです。

たとえば、翌朝の会議の資料を上司にチェックしてもらいたいときなら、「おつかれさまです。明日の会議の資料です。ご確認をお願いいたします」。これだけでいいのです。他にもねぎらう言葉として、「先ほどはありがとうございました」などお礼の言葉から始めると、ポジティブなメッセージになります。

このように、手書きのメッセージは、必ずポジティブな言葉から入りましょう。それがたとえ、上司に反対された企画を再度提出し認めてもらいたい場合などでも同様です。「先ほどは反対とのことでしたが……」などと書き出すのではなく、「先ほどはご意見ありがとうございました。改めて自分なりの考えをまとめてみました。ぜひご確認いただければ幸いです」というふうな書き方をすれば角が立たず、前向きに検討してもらえるでしょう。

ビジネス文書が「もらって嬉しいもの」になる

社外に提出する書類にも、手書きのひと言は効果的です。この場合も一筆箋を使うのがお勧めですが、そうでなくても手書きのメッセージを添えることはできます。資料を郵送する際、あいさつや書類の内容について記した送付状を用意している人は多いでしょう。その送付状の余白にひと言、メッセージを書くのです。

余白に書く内容は、パソコンで打った文面と重なる言葉でも構いません。「いつもお世話になっております「いつもありがとうございます」「よろしくお願いします」このようなひと言でいいのです。受け取る相手に気持ちが伝われば良いので、難しく考える必要はありません。

一筆箋にはさまざまなものがありますが、送る相手が「喜ぶ」ものを考えましょう。たとえば、あまり親しくもないのにキャラクターものの一筆箋を送っても、相手が好んでいるとは限らず、逆効果にも。相手は、男性なのか女性なのか。若い方なのか、地位のある方なのか。よく考えて選択するべきでしょう。

さほど親しくない間柄ならマナーに則り、無難な選択を心がけましょう。無難な一筆箋とは何かというと、まずは、シンプルに無地のもの。また、誰にでも好まれるのは季節の絵柄です。たとえば今の時期なら秋ですから、紅葉、コスモス、栗などの秋の味覚の柄があります。また、四ツ葉のクローバー、招き猫、鶴亀、富士山など、縁起物の絵柄も誰にでも喜ばれます。

「字がヘタ」でも伝わる三つのポイント

「手書き文字に自信がない」という人も多いでしょうが、手書きメッセージの役割は「気持ちを伝える」ことですから、そこはあまり神経質にならなくて良いと思います。ただ、次の三つを押さえて書くと、読みやすい文字が書けます。

一つは「大きく」、二つ目は「太く」、そして「青いインク」で書くことです。字に自信がない人は苦手意識から、小さく書く傾向にあります。しかし小さい文字は読みづらく不親切です。読みやすい大きさの文字を書くには、「太い」ペンを使えばいいのです。標準的なボールペンの芯は0.5mmですが、0.7や0.8mmミリのものをお勧めします。太い芯を使えば自然と大きい文字になります。綺麗な字よりも読みやすい字を書くことこそ相手本意です。

インクの色については、黒でももちろん良いのですが、あえて青を使用することで、「元気・爽やか・品の良さ・誠実さ」といった印象を与えられます。

郵送する際は、封筒にも気を配りましょう。A4の書類なら、三つ折りにして縦長の封筒に入れます。その際、書類の天と地のどちらを上にするか、向きはどうすれば親切か、一筆箋や送付状を一緒に入れる場合、その位置はどこか……相手が開封するときのことを考えて入れましょう。

書類の枚数が多い場合は、クリアファイルに収め、大判の封筒に入れて送ると良いでしょう。そして資料の上に、一筆箋を挟み込みます。一筆箋は書類に比べて小さいので紛れ込みがちですが、クリアファイルに入れておけば取り出したときにすぐ目につき、紛れてしまうこともありません。

郵便で送るなら、切手にもこだわりましょう。季節ならではの柄やセンスのある記念切手を使用すると、「気が利いた人」という印象を与えます。もちろん普通の切手で届いてもネガティブには思われないでしょうが、記念切手ならゼロの印象からプラスの好感度を与えることができます。

そのまま使える!「ひと言書き」文例

(1)上司に企画書をチェックしてもらうとき

○○部長
おつかれさまです。
○○の企画書です。
ご確認よろしくお願いいたします。

(2)取引先に資料を送るとき

○○社 △△△△様
いつもお世話になり、ありがとうございます。
○○○の資料を送付いたします。
何卒よろしくお願いいたします。

(3)請求書を送るとき

このたびは大変お世話になり、ありがとうございます。
×月度のご請求書を送付いたします。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。

(4)領収書を送るとき

このたびはお世話になります。
先日は○○のご注文をありがとうございました。
領収書を送付いたします。
今後とも、よろしくお願いいたします。

むらかみかずこ(むらかみ・かずこ)(一社)手紙文化振興協会 代表理事
東京女子大学文理学部史学科卒。企業経営者の仕事に込める想いを伝える「小冊子」の制作を手がけた後、2013年に手紙文化振興協会を設立。手紙の書き方アドバイザー(R)認定講座を行ない、全国各地に手紙の書き方講師を育成するとともに、自宅で学べる通信講座『手紙の書き方講座』『仕事で差がつく! メール・文章の書き方講座』を開発・運営。TBS系「プレバト!!」、NHK Eテレ「まる得マガジン/心が通じる一筆箋」講師の他、テレビ・ラジオ出演、新聞・雑誌掲載、著書多数。(『The 21 online』2017年11月号より)

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