昨日の海外時間には、米税制改革法案に対する期待から米長期金利が上昇する中、NYダウ、S&P500が終値ベースで史上最高値を更新しました。為替市場ではドル売りが強まる場面もありましたが、NY時間午後に買い戻されています。

昨日の海外市場動向

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

欧州時間、欧州株が上昇する中東京時間に始まった対ユーロなどでのドル売りが強まって、ユーロドルは1.1790台まで、ユーロ円も132.80円台まで上昇しました。一方ドル円も全般的なドル売りで小緩んで112.50円付近まで下落しました。

NY時間にはいって、NYダウが上昇する中、米長期金利が低下してドル売りが強まって、ドル円は112.30円付近まで下落し、ユーロドルは1.1830台まで上昇しました。

NY時間午後、NYダウが伸び悩む展開となる中米長期金利が上昇すると、全般的にドル買いが強まって、ドル円は112.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.1770台まで下落しました。

東京時間には、日経平均は寄り付きこそ上昇して始まりましたが、その後は反落していますが、米長期金利が上昇していることからドル円は底堅い推移となっています。

FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは57%と上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には、独・12月IFO景況指数、米・11月住宅着工件数/建設許可件数、米・第3四半期経常収支の発表があります。

今後の見通し

昨日、南アフリカの与党ANCで議長選挙が行われ、ラマポーザ副大統領が、ズマ大統領が推す元妻のドラミ二・ズマ氏を破りました。この議長選挙は事実上次期大統領を選ぶ選挙ですが、ズマ大統領には多くの汚職疑惑が持ち上がっていることから、体制の変更を市場は歓迎して南ア・ランドは上昇しました。

米税制改革法案が年内にも成立する可能性が高まったことから、NYダウ、S&P500はともに史上最高値を更新しました。その影響もあって昨日はロシアを除いたほとんどの市場で株価が上昇しました。一方で米長期金利は比較的大きく上昇していて、その結果リスク選好のドル売りと米長期金利上昇からのドル買いが拮抗した形でドル円、ユーロドルなどは水準を変更しませんでした。今後も米税制改革法案成立による企業収益上昇への期待から米株式市場と米長期金利が堅調に推移し、円安傾向が続くと考えられます。

再び押し目買い

現在のリスク選好の流れと米長期金利の上昇傾向が続けば、ドル円は大きくは動かないでしょうが堅調に推移することが予想できますので、112.20円割れに損切りを設定して、112.50円付近でのドル買いを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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