昨日の海外時間には、複数の欧州中銀総裁が緩和政策の出口を意識した発言をしたことなどから欧・米長期金利が上昇し、ユーロ買い、ドル買いが強まる中円が全般的に売られました。
昨日の海外市場動向
欧州時間、ドル円は112.50円台を中心とした非常に狭いレンジ取引に終始しました。一方ユーロは、1.1810台まで上昇する場面もありましたが、1.1790付近まで反落しました。
NY時間にかけて、独長期金利が上昇を始めるとユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.1830台まで、ユーロ円は133.40円台まで上昇しました。NY時間にはいって米長期金利も上昇を始めたことからドル円も112.80円台まで上昇しました。
NY時間午後にかけても、独・米長期金利の上昇が続いたことからユーロドルは1.1840台まで、ドル円は113.00円台まで、ユーロ円も133.90円台まで上昇幅を拡大しました。その後独・米長期金利の上昇が収まると円の買戻しが優勢となって、ドル円は112.80円台まで、ユーロ円は133.50円台まで反落しました。
東京時間朝方、5・10日の仲値決裁の思惑などから円売りが強まりましたが、ドル円の113円台乗せでは売りが優勢となっています。
FF金利先物市場の3月利上げの織り込みは56%でほぼ変わらずでした。
今日の予定
今日の海外時間には、独・11月生産者物価指数、ユーロ圏・10月経常収支、米・11月中古住宅販売件数の発表があります。
今後の見通し
バイトマン・独連銀総裁、ハンソン・エストニア中銀総裁、マクチ・スロバキア中銀総裁などが相次いでECBによる緩和政策の出口を意識した発言をしたことと、発表された来年度の独国債発行計画で予想よりも超長期セクターの発行が多いことが判明したことから、クリスマス前で薄商いだったこともあって独長期金利が大きく上昇しました。米長期金利も欧州長期金利高につれ高となった結果、主要通貨の中で円は最弱通貨となって、ドル円、クロス円が上昇しています。
東京時間未明には米下院が税制改正法案を可決して、法案成立に向けた動きが続いていて、全般的なリスク選好を下支えしています。クリスマス前で市場参加者が少なく、全体的に薄商いが続いていますが、欧米金利が高止まりしている中、引き続き円買い意欲を高めるような材料がありません。
今晩に予定されているスウェーデン中銀の理事会では資産買入れの延長停止が決定されると見られていますが、その影響で今日も欧米金利が上昇する可能性もあり、そうなればさらに円安が進むと予想できます。
ドル円買いポジションをキープ
昨日112.55円でドル買いポジションを構築していますので、引き続きそのポジションを保有します。損切りラインを112.70円に設定することで僅かですが利益を確保した上で、113.50円付近での利食いを目指します。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。
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