株式投資にあたって、株主優待を楽しみとしている人も多いのではないだろうか。今回は2月に権利確定する銘柄で、最低投資金額の少ないものをランキングにして紹介する。2月は小売企業の決算が多くあり、魅力的な優待銘柄が多くあるという特徴もある。最低投資金額の少ない銘柄なので、気になるものがあれば、検討してみてはいかがだろうか。
2月権利確定の優待銘柄 最低投資金額の少ない15銘柄は?
2月権利確定の株主優待銘柄にはどのようなものがあるのだろうか。今回は最低投資金額が低い15銘柄を紹介していこう。
2017年12月22日の終値に基づく最低投資金額であり、優待利回りや配当利回りの数字もその時点での数字を基に計算している。また、権利確定が毎月あるような銘柄や、最低投資金額では優待が受けられない銘柄は除外している。
15位 ラピーヌ 8.37万円
ラピーヌ <8143> は東証二部に上場する、婦人アパレルの中堅である。
優待内容は2つあり、権利確定日は2月末と8月末の年2回となっている。まずは、グループ直営店舗及びファミリーセールでの買物時に利用可能となる優待買物割引券である。10%割引となる券が、保有株式数によって、次のように付与される。
100株以上1000株未満……5枚(年間10枚)
1000株以上……10枚(年間20枚)
また、同社のオンラインショップでの買物時に利用可能となる優待割引クーポンも付与される。こちらは、保有株数によって割引率が異なっている。
100株以上1000株未満……10%割引
1000株以上……15%割引
買い物時の割引となる為、優待利回りでは計れないものの、同社ブランドでの購入が多い方には検討の価値があるだろう。また、同社は2017年2月期は無配であったが、2018年2月期には1株当たり15円の復配も見込んでいる。配当利回りが1.79%となり、配当の恩恵もプラス材料となる。
【株価】837円
【単元株数】100株
【最低投資金額】8万3700円
【優待内容】店舗での買物時に割引となる買物優待券(付与数は保有株式数による)、オンラインショップでの買物時に割引となる買物優待券(割引率は保有株式数による)
【優待利回り】--%
14位 TSIホールディングス 8.25万円
TSIホールディングス <3608> は「ナノ・ユニバース」や「ローズバッド」などのブランドを有する東証一部上場のアパレル大手である。
優待内容は自社グループのオンラインショップ「MIX.Tokyo(ミックスドットトウキョウ)」で利用可能な割引クーポンブックである。一部ブランドを除き、利用上限額30万〜40万円までの購入が20%の割引となる。保有株式数や保有期間に応じて、付与されるクーポンブックの数は異なる。また、権利確定日は2月末と8月末の年2回となっている。
一部ブランドでは利用条件が異なる点等には注意が必要であるが、同社ブランドでの購入が多い方には魅力的な優待内容であろう。2018年2月期には1株当たり17.5円の配当も見込んでおり、配当利回りが2.12%となる事もポジティブだ。
【株価】825円
【単元株数】100株
【最低投資金額】8万2500円
【優待内容】保有株式数や保有期間に応じて、自社グループのオンラインショップで利用可能な割引クーポンブックまたは1000円の金券
【優待利回り】--%
100株以上(保有期間3年未満)……1冊(年間2冊)
100株以上(同3年以上)……2冊(年4冊)
500株以上(同3年未満)……2冊(年4冊)
500株以上(同3年以上)……3冊(年6冊)
1000株以上(同3年未満)……3冊(年6冊)
1000株以上(同3年以上)……4冊(年8冊)
13位 ツヴァイ 8.21万円
東証二部上場、イオン傘下で結婚相手紹介サービス等を手掛けるツヴァイ <2417> も自社サービス向けの株主優待を持つ。
100株以上の保有者に、同社の結婚相手紹介サービスの活動サポート費が50%割引となる優待割引券が3枚付与される。
優待内容は同社サービスの利用を前提としているが、株主本人でなくても適用される。2018年2月期には、1株当たり30円の配当も見込んでおり、配当利回りは3.65%に上る。同社サービスの利用予定がある方には、配当込みで非常に魅力的な株であろう。
【株価】821円
【単元株数】100株
【最低投資金額】8万2100円
【優待内容】100株以上で、同社サービス優待割引券を進呈
【優待利回り】--%
12位 ジーフット 7.83万円
ジーフット <2686>は、東証一部上場、イオン傘下で「アスビー」などの靴専門店を運営する。優待内容は同社店舗で利用可能な優待買物券である。権利確定日が2月末と8月末の年2回となっており、保有株式数に応じて権利確定日毎に、次のように付与される。
100株以上1000株未満……1000円分
1000株以上2000株未満……5000円分
2000株以上……10000円分
100株の場合、権利確定日毎に1000円分の優待買物券が付与される。権利確定日が2月末と8月末の年2回の為、年間を通すと2000円分となり、その優待利回りは2.55%となる。イオン傘下であり、全国に店舗を構えている為、利便性が高い事も魅力である。2018年2月期には1株当たり20円の配当も見込んでおり、配当期待が高い事にも好感が持てる銘柄と言えよう。
【株価】783円
【単元株数】100株
【最低投資金額】7万8300円
【優待内容】保有株式数に応じた株主優待券を進呈(100株の場合、年間2000円分)
【優待利回り】2.55%
11位 イオン北海道 7.47万円
東証一部に上場し、北海道内の「イオン」や「まいばすけっと」等を運営する、イオン北海道 <7512> も10万以下で購入できる優待株である。
優待内容は全国のイオングループ直営店舗で利用可能な株主優待券であり、保有株式数に応じて、次のように付与される。
100株以上1000株未満……2500円分
1000株以上2000株未満……5000円分
2000株以上……1万円分
100株の場合の優待利回りは3.34%となっており、それだけでも魅力的であるが、北海道内だけでなく、全国のイオングループ直営店舗で利用可能と、利便性も非常に高い。500株以上保有している場合は、更に全国にある「イオンラウンジ」の利用カードまで進呈される。同社は業績も堅調で、2018年2月期には1株当たり10円の配当も見込まれ、配当利回りも1.33%となる。イオングループの店舗を利用される方は候補に入れるべき優待銘柄であろう。
【株価】747円
【単元株数】100株
【最低投資金額】7万4700円
【優待内容】保有株式数に応じた株主優待券を進呈(100株の場合、2500円分)、500株以上の場合、全国にある「イオンラウンジ」の利用カードも進呈
【優待利回り】3.34%
10位 シー・ヴイ・エス・ベイエリア 7.07万円
シー・ヴイ・エス・ベイエリア <2687> は東証一部に上場し、関東圏でローソンを運営する他、ホテル事業等も手掛ける
優待内容は同社の運営するカプセルホテル「BAY HOTEL」で利用可能な宿泊割引券である。権利確定日が2月末と8月末の年2回となっており、100株以上を保有する株主に対し、次のように付与される。
権利確定日2月末……4000円分
権利確定日8月末……2000円分
100株の場合、年間で合計6000円分の宿泊割引券が付与される。年間での優待利回りは8.48%と非常に高い。同社カプセルホテルを利用する方には非常に便利な優待であろう。株数に応じて金額が変化する事は無い点には注意したい。2017年2月期は営業赤字となっていたが、2018年2月期には営業黒字への回復が予想され、一株当たり10円の配当も見込まれる。算出した株価ベースでは、配当利回りが1.41%となり、配当も期待できる銘柄である。
【株価】707円
【単元株数】100株
【最低投資金額】7万700円
【優待内容】100株以上で、自社運営ホテル割引券を進呈(100株の場合、年間6000円分)
【優待利回り】8.48%
9位 きょくとう 6.88万円
ジャスダックに上場し、九州地方に地盤を置くクリーニング大手、きょくとう <2300>も10万円以下で株主優待が利用可能である。
優待内容は同社店舗で利用可能なクリーニング無料券かクオ・カードを選択する事となる。どちらの場合も、金額は保有株式数に応じて、次のようになっている。
100株以上500株未満……1000円分
500株以上1000株未満……2000円分
1000株以上5000株未満……3000円分
5000株以上……5000円分
100株の場合の優待利回りは1.45%となっているが、クリーニング無料券とクオ・カードの選択が可能な事もあり、非常に使い勝手の良い優待であろう。また、同社は九州地方の他、関東圏、関西圏にも多くの店舗を構えている。2018年2月期には1株当たり11円の配当も見込んでおり、配当利回りは1.59%となる。総合的に考えると、魅力が高まる優待株と言えるだろう。
【株価】688円
【単元株数】100株
【最低投資金額】6万8800円
【優待内容】保有株式数に応じたクリーニング無料券又はクオ・カードを進呈(100株の場合、1000円分)
【優待利回り】1.45%
8位 ポプラ 6.84万円
東証一部に上場し、中国地方に地盤を置くコンビニエンスストア、ポプラ <7601> も優待に期待ができる。
優待内容は同社店舗で利用可能なお買い物優待券である。権利確定日が2月末と8月末の年2回となっており、保有株式数に応じて権利確定日毎に、次のように付与される。
100株以上500株未満……1000円分
500株以上1000株未満……1500円分
1000株以上……2000円分
100株の場合、権利確定日毎に1000円分の優待買物券が付与される。権利確定日が2月末と8月末の年2回の為、年間を通すと2000円分となり、その優待利回りは2.92%となる。中国地方が地盤となるが、関東圏や関西圏にも店舗があり、普段利用する方には便利な優待であろう。近年は業績が厳しく、無配となっている点には注意が必要である。尚、同社の株主優待は買物券ではなく、同等額相当のオリジナル菓子珍味セットを選択する事も可能だ。
【株価】684円
【単元株数】100株
【最低投資金額】6万8400円
【優待内容】保有株式数に応じたお買い物優待券を進呈(100株の場合、年間2000円分)
【優待利回り】2.92%
7位 エスクロー・エージェント・ジャパン 5.59万円
エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> は東証一部に上場し、不動産や金融業務の事務代行サービスを手掛ける企業である。
優待内容はクオ・カードであり、100株以上の保有者に対し、保有期間に応じて、下記の通り、付与される。
保有期間1年未満……1000円分
保有期間1年以上……2000円分
保有期間1年未満の場合、優待利回りは1.78%となっている。1年超だと金額は2000円と倍になるが、株数に応じて金額が変化する事は無い点には注意したい。ただ、近年は業績が非常に堅調であり、増収増益基調が続いている。2018年2月期もその基調は変わらない事が予想されており、一株当たり3円の配当が見込まれる。算出株価ベースでは、配当利回りが0.53%となる。今後の業績も踏まえ、注目に値する銘柄であろう。
【株価】559円
【単元株数】100株
【最低投資金額】5万5900円
【優待内容】100株以上で、保有期間に応じたクオ・カードを進呈(保有期間1年未満の場合、1000円分)
【優待利回り】1.78%
6位 カルラ 4.92万円
ジャスダックに上場し、東北地方を地盤に「和風レストランまるまつ」などを運営するカルラ <2789> は5万円以下で投資可能となっている優待銘柄だ。
優待内容は同社店舗で利用可能な優待食事券であり、保有株式数に応じて、次のように付与される。
100株以上500株未満……1000円分
500株以上1000株未満……5000円分
1000株以上……1万円分
100株の場合、1000円分の優待食事券が付与され、優待利回りは2.03%となる。店舗は東北地方から北関東までに限られているものの、同社店舗を利用される方には魅力のある優待だ。また、同社は一株当たり10円の配当を継続しており、2018年2月期も同額の配当が予想されている。算出株価ベースだと、配当利回りも2.03%となっており、配当も踏まえると魅力は更に増すだろう。
【株価】492円
【単元株数】100株
【最低投資金額】4万9200円
【優待内容】保有株式数に応じた優待食事券を進呈(100株の場合、1000円分)
【優待利回り】2.03%
5位 井筒屋 4.59万円
東証一部に上場し、北九州に地盤を置く百貨店、井筒屋 <8260> も5万円以下で株主優待を得られる。
優待内容は2種類あり、店舗での買物時とオンラインショップでの買物時にそれぞれ割引が可能となる。店舗での買物時に割引となる株主買物優待券は、2000円以上の買物時に7%の割引を受ける事ができ、保有株式数によって、次のように付与される。
100株以上300株未満……10枚
300株以上500株未満……20枚
500株以上1000株未満……30枚
1000株以上……50枚
また、100株以上保有していれば、オンラインショップ利用時には常に7%の割引を受ける事ができる。こちらは回数や金額の制限は無く、期限内であれば、何度でも利用可能である。
買い物時の割引制度であり、優待利回りを算出する事はできないが、同社店舗を利用する方には便利な優待制度であろう。特にオンラインショップで利用可能な優待は、回数や金額の制限も無い為、活用の機会は多いと見られる。同社は近年、無配が続いている為、配当も期待する方は注意したい。
【株価】459円
【単元株数】100株
【最低投資金額】4万5900円
【優待内容】店舗での買物時に割引となる株主買物優待券(付与数は保有株式数による)、オンラインショップでの買物時の割引サービス
【優待利回り】--%
3位 アークコア 4.45万円
名証セントレックスに上場し、中古バイク買取専門店「バイクランド」を運営するアークコア <3384> は最低投資金額が4万4500円となっている。
優待内容はクオカードであり、保有株式数に応じて、下記の通り、付与される。
100株以上300株未満……1000円分
300株以上……3500円分
上場市場が名証セントレックスであり、馴染みの薄い方が殆どでは無いだろうか。業績は昨年度まで2期連続の最終赤字となっており、2017年2月期は無配であった。2018年2月期には黒字回復を見込んでいるが、10月に発表された中間決算においては、半期業績が赤字となっている。最低投資金額の低さは魅力であるが、業績や流動性にも注意したい。
【株価】445円
【単元株数】100株
【最低投資金額】4万4500円
【優待内容】保有株式数に応じたクオカードを進呈(100株の場合、1000円分)
【優待利回り】2.19%
3位 文教堂グループホールディングス 4.45万円
ジャスダック上場で書店や文具店を運営する文教堂グループホールディングス <9978> も最低投資金額が4万4500円と、5万円以下で購入可能である。
優待内容は、同社直営店舗で買い物時の割引が可能となる株主優待カードである。割引率は保有株式数によって異なっている。
100株以上1000株未満……5%
1000株以上10000株未満……7%
10000株以上……10%
購入金額からの割引となる為、優待利回りを計算する事はできないが、回数、金額に制限は無く、何度でも利用可能であり、非常に魅力的な優待となっている。同社の店舗が近くにある方は活用を検討してみる価値がありそうだ。ただ、業績に関しては近年厳しい数字が続いており、無配の状態も継続している。
【株価】445円
【単元株数】100株
【最低投資金額】4万4500円
【優待内容】買い物時に割引となる株主優待カード(割引率は保有株式数による)
【優待利回り】--%
2位 コックス 2.76万円
ジャスダック上場でイオン系のカジュアル衣料専門店であるコックス <9876> は最低投資金額が2万7600円となっている。「ikka」などのブランドでイオンモール内を中心に店舗を構える他、オンラインショップも手掛けている。
優待内容は、同社店舗やオンラインショップで利用可能な株主優待券である。保有株式数に応じて、金額が異なり、次のようになっている。
100株以上500株未満……2000円分
500株以上1000株未満……4000円分
1000株以上2000株未満……6000円分
2000株以上……1万円分
100株の場合、投資金額2万7600円に対し、2000円分の優待が付与される為、その優待利回りは7.24%となる。同社店舗やイオンモールを普段から利用される方には、非常に良い優待であろう。業績は2017年2月期まで2期連続の営業赤字となっており、無配も続いている。購入時には業績も加味して検討したい。
【株価】276円
【単元株数】100株
【最低投資金額】2万7600円
【優待内容】保有株式数に応じた株主優待券を進呈(100株の場合、2000円分)
【優待利回り】7.24%
1位 レナウン 1.87万円
2月権利確定の優待銘柄で最低投資金額が最も少ないのは、東証1部上場のアパレル大手であるレナウン <3606> だ。「arnold palmer(アーノルドパーマー)」や「D'URBAN(ダーバン)」といったブランドを保有している。
その優待内容は、同社グループの保有ブランド商品を特別価格で提供する株主優待会「花と実の会」の招待券となっている。株主優待会への招待券という事もあり、その優待利回りを計算する事はできないが、同社ブランドに関心のある方には非常に興味深い優待となっている。会場は東京、大阪の2カ所でそれぞれ年2回行われており、2月の権利確定となる招待券で、5月または6月に開催予定の優待会へ出席可能となる。また、保有株式数に応じて、送付される招待券の数や入場可能時間にも違いがある。
最低投資金額は2万円以下となっており、手軽に優待メリットを享受できる銘柄と言えるだろう。ただ、直近決算は厳しい数字が続いており、無配状態が続いている点には注意が必要だ。
【株価】187円
【単元株数】100株
【最低投資金額】1万8700円
【優待内容】保有株式数に応じて、株主優待会「花と実の会」招待券を進呈
【優待利回り】-%
2018年2月の権利付売買最終日は23日(金)
ここまで最低投資金額の少ない2月権利確定の優待銘柄を紹介してきた。2月は小売業の決算が多く、他にも魅力的な優待銘柄はいくつもある。
注意したいのは、2月末が権利確定銘柄の場合、権利付売買最終日は23日(金)となる事である。株式の売買には4営業日が掛かる為であり、月末ぎりぎりに購入しても、権利は付かない。(ZUU online編集部)