株式投資の世界では何かしらの理由で株価が大きく上昇した企業を「大化け株」と呼ぶことがある。多くの個人投資家にとって、大化けしそうな株をあらかじめ安い値段で買って手中に収めておくことは夢だろう。

大化け株は上場してから年数が経っておらず、時価総額が小さく、成長性が高そうな企業に生まれるケースが多い。新しい企業にはフレッシュな話題も多く、伸び代も大きい可能性が高く、投機的な資金も流入しやすいため株価が上昇することが頻繁にある。そのため東証一部上場企業よりも、マザース市場のような新興市場の小型銘柄が大化けするケースが多い。

しかし実は東証一部の企業の中にも大化けする可能性を秘めている株は多く存在している。短い期間で投機的に急騰する小型銘柄とは異なり、拡大する業績に連動しながらじっくりと株価を上げていくのが特徴だ。

ここでは東証一部企業の大化けした株の具体例を挙げながら、そんな企業を探すための視点の一端をお伝えしていきたい。

具体例 どんな企業が大化けしたのか?

大化け銘柄
(画像=PIXTA ※写真はイメージです)

世界に名をはせる東証一部の企業といえば、トヨタ自動車、ソニー、三菱地所などいわゆる超有名企業たちだと言えるだろう。

株投資の経験のない人もしくは経験の浅い人は、昨今のバブル相場でもそんな超有名企業が株価をあげているのではないかと思う人も多いことだろう。

しかし、実はそんなことはなく例えばトヨタ自動車の例をあげてみると現在の株価は10年前のそれとそれほど変わらない水準にある。超有名企業の株価は日経平均株価と同程度の上昇をするか、ひどい場合には10年前と比べて大きく株価が値下がりしている企業すらある。

ではどのような企業の株価が大化けしているのだろうか。10年前の株価との比較でいくつか銘柄をあげてみよう(2017年12月28日終値と2007年12月28日終値を比較)。ちなみに日経平均株価はこの10年で1.48倍だ。

●ファーストリテイリング <9983> 10年で5.63倍

同社はユニクロを世界展開する企業。業種は小売。最近では海外展開を積極的に行うのみならず、GUなど若者へ向けたラインも同時展開している。服飾小売の大御所的な位置づけとなっている。

●オリエンタルランド<4661> 10年で6.15倍

東京ディズニーリゾートを運営する企業。業種はサービス。園内でドレス姿で写真を撮ることのできるサービスなどが最近では話題。売り上げは鈍化気味だが、テーマパーク業界の中では他の追随を許していない。

●東京エレクトロン <8035> 10年で3倍

半導体大手。世界の東京エレクトロンとして海外展開を加速している。株価上昇の要因は好調な企業業績とそれに伴い増加する株式配当だ。18年通期業績予想も上方修正している。

●ドンキホーテHD <7532> 10年で5.32倍

インバウンドの流れに乗り業績を拡大している。最近ではファミリーマートとの業務提携でも話題。

次にこれらに似た企業を探すための要素を2つご紹介する。

株主還元 千差万別の投資家から好かれるために

一つ目が企業の「株主還元」だ。

最近ますます資金力の大きな投資家の選考基準として「株主還元」があげられることが多くなっている。

株主還元は企業が投資家重視の行動をとることであり、それは配当の増加だったり、自社株買いだったり、株式の分割だったりと様々な形をとる。個人投資家にとっては株主優待なども株主還元の一つだ。

企業の不祥事やデータ改ざんなどが目立つようになってきている昨今においては、株主還元を重視するクリーンな企業にはますます資金が集まるようになっているようだ。

株価の上方修正 快進撃の狼煙となることも

二つ目が業績の「上方修正」だ。

魅力的な事業展開に加えて業績が好調であることは株価が上昇のためには必須だと言える。現在発表される業績が好調であるからこそ、今後の業績にも期待感が生じ、投資家の買いを集めることになるのだ。

特に予想を上ぶれさせる上方修正は将来の企業の事業展開の拡大も同時に連想させることも多く投資家からの買いを誘いやすいのだ。

株はニュースなどで一時的に乱高下することはあるものの、最終的には業績連動の形で収束していく傾向がある。企業が長年をかけて投資家の信頼を勝ち取り、株価を大化けさせる根底にはかならず業績の好調さが見え隠れしているはずだ。

新しい業種で大御所になる企業を探すのも一つ

すでに大手が支配している業種(分野)でこれから高成長を遂げていく企業を見つけるのは難しい。

そこで比較的新しい分野と言われる業種で将来的に大手になりそうな企業を探すのも一つの手だ。例えば「AI」「ロボット」「仮想現実」「クラウドコンピューティング」といった分野がそれにあたることだろう。

やはり東証一部前から注目するのが投資の醍醐味?

このような企業はまず東証マザーズやジャスダックといった新興市場で上場し、業績が安定して伸び株主数も増えてくると東証一部へと鞍替えすることが多い。

東証一部に指定されると機関投資家からの買い需要が発生し株価も上がりやすくなる上、時価総額も大きくなるので安定した値動きが期待できる。東証一部になる前の段階で将来的な活躍が期待できそうな企業を発掘するのもまた投資の醍醐味だといえそうだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある