投資をしている人であれば誰もが、これから株価が上昇する企業を買いたいものである。通常、株式投資対象として企業を選ぶ際は企業の事業内容を見て今後も成長を続けるかどうかを判断するのであるが、実際には株価が継続して上昇していくのを見極めるのは難しい。

しかし、その銘柄選びの難しさを一気に緩和するための指標があり、それがPERである。

PERを使うと業績に対する株価の割安・割高水準の参考にすることができるため、客観的に判定する上で役に立つ。上手に使うことができればこれから上昇する可能性がある割安株を見つけることも可能になる。

ここではPERでこれから上昇する株をつかむコツや誤った使い方の例などを上げて、PERの解説をしていきたい。

株式投資,PER
(写真=PIXTA)

まずはざっくり「PER(株価収益率)」とは?

割安株を見つけるにはPER指標を使うのが株式投資の世界では一般的である。PER数値は低い数値の方が割安とされ、以下の公式によりPERは算出される。

PER=株価÷1株利益
※1株利益は純利益を株式総数で割った値

このように株式の価値の高い安いを計算するには株価のみでなく業績も考慮する必要があるのだ。

例えば、A企業の1株の株価が1000円、B企業の1株の株価が2000円だった場合、額面での株価はA企業の方が安い。しかし、1株あたりの純利益がA企業が100円、B企業が400円だった場合にはPER数値で表すと以下のようになる。

A社 1000÷100=10 PER10倍
B社 2000÷400=5 PER5倍

PER数値が低いB社の方が、数値の上では割安だと判定できる。この考え方を持って以下のようにPERを株探すに利用していくことになる。

PERの使い方(1) 業績が好調ゆえにPERが低く保たれる

業績が好調な株式は増収増益を継続する企業が多い。業績が伸びると1株利益も伸びることとなり、結果PER数値は低くなる。株価が買われ過ぎている場合には、決算発表と同時に一時的に株価も売られることもあるが業績好調な限りはPER数値は低めに保たれる。

とくに業績好調株の場合、年半ばで通期の業績会社予想を上方修正することもあるので、それに伴い株価も割安と判断される水準までPERが落ちることになる。

これらの株式群は株価が高くなっても価値の上では決して割高とは言えず、業績の動向次第ではまだまだ割安という株式は意外にも多いものである。割安株を探す際には増収増益企業でPERが低いものを選ぶのが得策である。

PERの使い方(2) サプライズ決算によりPERが一気に低くなる

PERを利用する場合に最も有効な使い方となるのが、この例である。普段から投資家によって注目されていない株式にサプライズ決算が出た場合には、それに伴いPER数値が異常に低くなることが多い。

例を挙げると、ある企業の株式のPERが20倍で推移していたとする。その企業がサプライズの業績予想修正を発表して純利益が4倍になったとすると、それと反比例してPERは一気に5倍まで下がることになる。

こうなると株価もストップ高水準まで買われることも多いが、株価が落ち着きを見せた後でも株価が上昇していく余地を残している場合が多い。株価が決算により一時的に急騰を演じるのはだいたいにおいてこのケースである。

株価急騰はしばらくすると落ち着くが、このようにサプライズ決算を出した企業はしばらく株価を追うことが大事である。いつの間にか株価は信じられないような上昇を見せることがある。

PERを使って失敗しがちな例

「○○(企業名)がPER7倍なので割安だ」

このようにPERのみを使うことで割安度を判定することは投資においては失敗につながってしまう場合が多い。なぜなら株価は企業動向を織り込みながら動いており、先回りして株価が下がっていることが多いからだ。

株価が下がっているということはその分PERも低く放置されておりPERの数値だけを見ると割安になっていると感じることもあるのだ。しかし業績が悪化したことが伝わり、業績が更新されると一気にPER数値は高くなり割高な株式の仲間入りをすることとなる。

数値のみでPERを判定することは危険でお勧めはできない。PERを利用する際には、必ず業績動向や最新のニュースなどを確認して使用するようにしてほしい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

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