「同じくらいのお給料のはずなのに、お隣の◯◯さんの家庭は家族旅行や外食などによく行っている。なぜあんなに生活にゆとりがあるのか?」などと思った経験は誰にでも一度や二度はあるはずだ。

人生100年時代と言われる昨今、意識的に自らの行動一つひとつを変えていき、お金が貯まる仕組みを作らなければ、ゆとりある100年時代を生き抜くことは難しいだろう。私達の寿命が伸びれば伸びるほど、お金が貯まる仕組みを作った人とそうでない人とでは、たまるお金はもちろんのこと、それによって作り出される生活にも差は広がるばかりだろう。

還元率に注目

クレジットカード
(画像=PIXTA)

利用する際の安心感や、節約志向の高まりなどから無駄遣いを防ぐために、日本では支払手段として現金を利用する人が多い。しかし最近では、クレジットカードを利用することのオトクに気づき、クレジットカードを利用してお金を上手に貯めている人が増え始めている。

金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査 平成29年調査結果」によると、1万円超5万円以下の買い物を利用する際、日常的な支払方法として現金よりもクレジットカードを利用すると回答した人が多かったことが明らかになっている。

クレジットカードを利用すると、通常は利用金額に応じてポイントがたまる。一般的なポイント還元率は0.5~1%程度であり、クレジットカードで200円利用すると1ポイントたまる場合が0.5%の還元率になる。クレジットカードによって還元率は異なり、キャンペーンの利用やクレジットカードの利用方法によっては、1.5%を上回る場合もある。

2018年早々、日経平均株価が大幅な上昇となり、株式市場は盛り上がりを見せている一方で、超低金利の状況が長引き、銀行の定期預金に預けてもお金は一向に増えない。大手銀行の定期預金の金利は0.01%だ。100万円を1年間預けても、受け取れる利息はわずか100円(税引前)にしかならない。

この状況下で現金で買い物をしても、お金は利息以上に増えない。しかし、クレジットカードを上手に利用すれば、利息以上のポイント還元を受けることが可能になるのだ。考え方の重要ポイントは、クレジットカードの利用で得られるポイントの還元率が、現金に換算した時に預金金利を上回る還元率のクレジットカードの活用を検討しなければならない。

還元率1%でもポイントが積もれば年間数万円分に

例えば、還元率1%のクレジットカードで考えてみよう。4人家族で飲食料費として毎月6万円支出している場合、支払いに現金ではなくクレジットカードを利用するだけで600ポイントの還元を受け取れる。1年間で考えると7200ポイントも受け取れる計算になる。

また、4人家族で光熱費として毎月4万円支払っている場合、支払いを口座引き落としではなくクレジットカードを利用するだけで400ポイントの還元を受け取れる。1年間で考えると4800ポイント受け取れる計算だ。上記の例の場合、飲食料品と公共料金の支払いをクレジットカードに変更するだけで、1年間に1万2000ポイント、10年間では12万ポイントも貯めることができるようになるのだ。

クレジットカードを賢く使えば現金を利用するよりもお得であることが理解しやすいだろう。さらに、クレジットカードを利用すれば、現金を引き出すために銀行に行く時間や手間を削減でき、生活にゆとり時間を作り出すことができるようになる。人生100年で考えた時には、ポイントと同じように小さな積み重ねが大きな時間となるだろう。その分を家族との楽しみや自己研鑽などに時間を有効活用したほうが良い。

もちろん、クレジットカードの利用においては、利用上限金額まで手軽に購入できるようになるため、人によっては使い過ぎるという心配もあるかもしれない。使い過ぎを心配する場合には、まずは飲食料品や、携帯電話や電気といった公共料金など、毎月費用として発生している必要経費だけにクレジットカードの利用を限定して、生活の決済手段として取り入れるところから始めればよい。使い道を限定することで、クレジットカードの使い方に慣れるだろうし、使い過ぎを防げるだろう。

たまったポイントの利用は決めておく

クレジットカードの種類によるが、たまったポイントは、Tポイントやnanacoといった電子マネーや、航空会社のマイレージ、クレジットカード会社が用意したクオカードやiTunesカード、その他の商品などに交換できるほか、現金としてキャッシュバックを受けることも可能だ。ただし、貯めたポイントには有効期限がある場合が一般的だ。ポイントの還元先については、どのように利用したいのかをあらかじめ考えて交換先を決めておけば、ポイントを有効期限内に有効に活用できるだろう。

たとえば、家族旅行に行きたい場合には、貯めたポイントを航空会社のマイレージへ交換するのがお得なクレジットカードを選べばよいだろう。しかし、旅行に行く機会があまりとれない場合には、ポイントを有効期限内に使えずに捨ててしまうことになりかねない。せっかく貯めたポイントを無駄にしてしまう事態だけは避けたいので、電子マネーや金券などにポイントを変えられれば外食や買い物に使えるので便利に使えるだろう。

筆者も高還元クレジットカードを積極的に利用し、最終的には航空会社のマイレージと飲料とに分けてポイントを受け取っている。1年を通して愛飲しているミネラルウォーターはたまったポイントで購入しているので、ポイントを無駄にすることもない。現金で支払いを済ませている人は、お金がたまる体質に改善する一歩として、高還元クレジットカードの利用を検討してみてどうだろうか。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行、講演活動、株塾を行う。公式サイト「横山利香の資産運用コンシェルジュ

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