先週(1/15〜19)の日本株は反騰、日経平均は週間で154円24銭(0.7%)高の2万3808円06銭で引けた。

米国株式市場が好決算を背景に高値追いとなったことなどを好感、日経平均は16日に2万3951円81銭と昨年来高値を更新し、91年11月15日以来約26年ぶりの高値をつけた。ザラ場の高値は、18日の2万4084円42銭だった。

もっとも、18日は2万4000円の大台代わりで達成感も拡がっていたところに、金融情報ベンダーのブルームバーグ社が11時過ぎに、「正常化に向けて将来的に議論を求める声、日銀内の一部で浮上」と報じ、日銀の金融緩和出口(テーパリング)懸念から日経平均は先物主導で下落に転じた。高値からは384円の急落で一時2万3699円をつけた。

日本株が26年ぶりの高値を回復してきたことで、日銀の金融緩和スタンスに変化が出るかどうかが投資家の焦点になっている。9日の日銀金融調節で日銀が長期債の買い入れ額を減額したときも、テーパリング観測で日米の金利が上昇して円高を先導、10日以降の日本株の下げ要因となった。日銀がETF買い入れ額の年間6兆円の枠を見直すようだと、日本株が調整する可能性もある。

米国株式市場は17年10〜12月期の好決算を背景に堅調が続いておりNYダウは2万6000ドル台に乗せたが、米国長期債利回りの急騰が懸念材料として浮上しはじめた。長期債は19日には2.66%と14年7月以来3年半ぶりの水準まで上昇した。米金利上昇とビットコインなど仮想通貨の下落で、米国S&P500指数のボラティリティ指数(恐怖指数)であるVIX指数は年初の9台前半から11台までやや上がり始めている。

過去の歴史からみれば米長期金利はまだまだ低いが、2.66%は米国の債券のカリスマである債券王のビル・グロスや新・債券王のジェフリー・ガンドラックなどのカリスマ投資家が懸念しているレベルである。基本的に、金利の急上昇は景気や株価に対してはマイナス要因なだけに、今週予定されている日銀金融政策決定会合、ECB定例理事会、金融関係者が集まるダボス会議での有識者の発言などに神経質な展開となりそうだ。

今週は、米17年10〜12月期の決算発表が本格化する。日本の決算発表も始まる。好決算の可能性が高く、株価の上昇が期待される一方で、金利上昇、円高が相場の波乱要因になる可能性も意識しておくべきだろう。

また、米連邦政府予算が週末20日に失効し、政府機関の閉鎖が約4年ぶりに生じている。予算案は成立のめどが立たず、週明けまで影響が続く恐れが出ている点には注意が必要だ。共和党上院トップのマコネル院内総務は22日午前1時(日本時間同日午後3時)にはつなぎ予算案採決に向けた手続きを再び行うと表明している。

先週(1/15〜19)の振り返り

株式展望
(画像=PIXTA)

15日の日経平均は4日ぶりに反発、前日比61円(0.3%)高の2万3714円で引けた。米国市場で主要株価指数が最高値を更新したことを好感し日経平均はギャップアップして始まったが、ユーロ高・ドル安からクロスレートでの円高が進み110円台半ばと約4カ月ぶりの高値をつけたため、利益確定売りが広まり上げ幅を縮小した。

16日の日経平均は続伸、前日比236円(1.0%)高の2万3951円で昨年来高値を更新した。91年11月15日以来約26年ぶりの高値だった。米国市場が休場で模様眺め気分が強い中、米長期債利回りが夜間市場で低下、円が110円前半から110円後半まで切り返し始めた。日本株にも外国人と思われる主力銘柄への買いが継続し、日経平均はジリ高で一時247円高の2万3962円まで上昇した。

17日の日経平均は反落し、終値は前日比83円(0.4%)安の2万3868円で引けた。再び110円台前半まで進行した円高や前日の米株安を嫌気して朝方には下げ幅が一時200円を超えた。ただ、押し目買い意欲も強く、中国銀行の預金準備率引き下げの発表を契機に下げ幅を縮小した。

18日の日経平均は続落、前日比104円(0.4%)安の2万3763円だった。NYダウが初めて2万6000ドルを突破、日本株も高値更新期待から反発し、一時は約26年ぶりに2万4000円台を回復した。ただ、ブルームバーグのテーパリング懸念報道をきっかけに先物主導で急落し、前日比マイナスに転じた。今週の出来高は連日2兆円台だったが、この日の東証1部の売買代金は高値からの急落で3兆5901億円と膨らんだ。

19日の日経平均は3日ぶりに反発、前日比44円(0.2%)高の2万3808円で引けた。過去2日で日経平均が200円ほど下げたことで押し目買い意欲が強く、決算発表への期待から個別銘柄を中心に買いが広まった。もっとも、朝方111円台だったドル円が再び110円台に入った事もあり、方向感の出ない展開だった。

先週の海外市場を振り返る

19日の海外市場でNYダウは反発、53ドル高の2万6071ドルで引けた。週間では268ドル(1.0%)高と3週続伸した。史上最高値は1月17日の2万6115ドルだった。

来週から17年4Qの決算発表が本格化する。今まで発表された決算には予想を上回るものが多く、減税効果もあることから今期の予想ガイダンスにも期待が集まる。好決算は株価のサポート要因だ。

一方で、日銀のテーパリング懸念、欧州ECBのタカ派の議事要旨から始まったドル安が継続し、NY為替市場でドル円は前日比25銭円高の110円90銭で引けた。日本の19日の17時は110円70銭だったため、東京時間からは20銭の円安だった。

来週に日銀決定会合、ECB定例理事会などの重要イベントを控え、為替は模様眺め感が強かったが、米長期債利回りは3年半ぶりとなる2.66%まで上昇しており、株式市場にも高値警戒感も広まりつつある。

今週(1/22〜26)の株式展望

今週の日経平均の予想レンジは2万3500円〜2万4000円を想定している。今週は企業業績と、世界主要国の金融政策の綱引きの展開が予想される。米長期金利の急騰は懸念材料。景気好調、ゆっくりの金利上昇を期待して株式市場はリスクオンで上げてきたが、ここに来ての金利上昇は少し想定を上回るピッチだろう。上述したように、米つなぎ予算案採決に向けた手続きの動向には注意が必要だろう。

米国の17年10〜12月期決算期待、国内でも23日の安川電機からの決算発表が始まる。日経平均225銘柄の17年度の予想EPSは現在約1522円程度。PER16倍だと日経平均は2万4352円になる。ここ数年日経平均のPERの上限はPERで16倍であり、そろそろ日本株の割安感は薄れてきている。日経平均がもう一段高になるためには企業業績の上方修正というトリガーが必要だろう。

テクニカルでは、日経平均は現在2万3821円にある5日移動平均線近辺でのトレードとなっており、方向感がでない局面だ。明確に割り込むようだと短期的な調整色が強くなる。サポートはボリンジャー1αの2万3710円。そこをブレークすれば、25日移動平均の2万3236円が次のサポート。上抜けた場合は心理的抵抗戦の2万4000円、さらに抜けた場合はザラ場高値の2万4084円、次はボリンジャー2アルファの2万4184円がレジスタンスになりそうだ。

今週のイベントは、日本では20日にインドネシア国交樹立60周年記念、22〜23日に日銀金融政策決定会合、23日に日銀展望リポート、黒田総裁記者会見、26日には日銀12月の金融精査決定会合議事要旨がある。世界では20日はトランプ政権発足1年、22日はユーロ圏財務相会合、23日ダボス会議、NAFTA再交渉会合、EU財務相理事会、25日ECB定例理事会がある。

ダボス会議にはトランプ大統領が参加する。米大統領の参加は00年のクリントン以来18年ぶり。26日に演説予定。安倍首相は出席しない予定。

主要決算発表は、23日に安川電機、24日に日本電産、26日に信越化、ファナックが注目。米決算では22日のネットフリックス、23日のスプリント、ベライゾン、TI、24日のGE、ユナイテッドテクノロジーズ、フォード、25日のインテルなどが日本株への影響が大きい。

今週の経済指標は、日本では22日にマンション市場動向、コンビニ売上、23日に百貨店売上、粗鋼生産、24日に景気動向指数改定値、貿易統計、26日に消費者物価指数がある。世界では22日に米シカゴ連銀全米活動指数、24日に米中古住宅販売件数、25日に米新築住宅販売、米CB景気先行指数、独Ifo景況感指数、26日に米17年4QGDP速報値、米耐久財受注などが注目されよう。

平田和生(ひらたかずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。