-減価償却費削減効果が増益をけん引-
ダイドーグループホールディングスが2日に発表した2018年1月期の決算は売上高が前期比0.7%増の1727億円、営業利益が同26.8%増の48.9億円となり、営業利益は昨年11月に53億円から41億円に下方修正した会社計画を2割近く上回って着地しました。ただし、当期利益は海外飲料事業で減損損失と関係会社株式評価損を合計で5.2億円計上したことにより23.4%減の25億円となっています。
大幅な営業増益をけん引したのは主力の国内飲料事業と、栄養ドリンクなどの受託製造を手掛ける医薬品関連事業です。自販機での販売を主とする国内飲料事業は1台当たりの売り上げ減少などで売上高は前期比1.2%減の1267億円と小幅に減少しましたが、営業利益は自販機の固定費削減などにより前期比40.0%増の55.4億円となりました。また、新規受注の拡大や既存製品の受注が好調で16.2%の増収となった医薬品関連事業の営業利益は34.6%増の12.7億円となっています。
国内飲料事業の大幅増益につながった自販機の固定費削減は主に自販機の調達コスト低減によって設備投資を減らしたことによる減価償却費の低下です。この減価償却費削減効果は前期だけでなく今期、来期も続く予定で、トップラインの大幅な拡大が期待しにくい国内飲料事業の重要な増益ファクターとなりそうです。今期の国内飲料事業の営業利益も減価償却費削減効果で前期比20.9%増の67億円と前期に続き高い伸びが見込まれています。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト
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