フォーブスが「世界長者番付」を発表し、Amazonのジェフ・ベゾスCEOが2018年の1位に輝いた。ベゾス氏の純資産は1120億ドルと、長者番付史上初の1000億ドル台に乗った。2位は過去24年間で18回も首位を獲得したビル・ゲイツ氏、3位はウォーレン・バフェット氏。
米国勢の強さは健在で、トップ10に8人、トップ30に19人がランクイン。次いで4人がトップ30入りを果たした中国は、騰訊(テンセント)の創業者兼CEOの馬化騰氏が上位初登場にも関わらず、「中国で最も裕福な大富豪」の座に就いた。
アジア圏からは恒大集団会長の許家印氏や香港を拠点とする永恒基?の李兆基氏と、ふたりの不動産王が初めてトップ30入りした。
欧州からはLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)の取締役会長兼CEOベルナール・アルノー氏が、11位から4位へと急浮上した。
ほかにロレアルの株の33%を保有するフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ氏 と一族、インド最大のコングロマリット、リライアンス・インダストリーズ会長、ムケシュ・アンバニ氏が、初のトップ30入りを果たした。
資産10億ドル以上のビリオネアは過去最高の2208人。そのうち259人は新たなビリオネアだ。保有資産総額は9.1兆ドルにのぼる。
世界で最も裕福な30人と2017年の順位
30位(トップ30初登場) フランソワ・ピノー 270億ドル(フランス)
29位(22位) ジョルジ・パウロ・レマン 274億ドル(ブラジル)
28位(28位) フィル・ナイト 296億ドル(米国)
27位(24位) ベアーテ・ハイスター、カール・アルブレヒト・ジュニア 298億ドル(ドイツ)
26位(18位) 王健林 300億ドル(中国)
24位(初登場) 李兆基 303億ドル(香港)
24位(初登場) 許家印 303億ドル(中国)
23位(19位) 李嘉誠 349億ドル(香港)
22位(21位) スティーブ・バルマー 384億ドル(米国)
21位(20位) シェルドン・アデルソン 385億ドル(米国)
20位(23位) ジャック・マー 390億ドル(中国)
19位(初登場) ムケシュ・アンバニ 401億ドル(インド)
18位(初登場) フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ 422億ドル(フランス)
17位(初登場) 馬化騰 453億ドル(中国)
16位(17位) アリス・ウォルトン 460億ドル(米国)
15位(15位) S・ロブソン・ウォルトン 462億ドル(米国)
14位(16位) ジム・ウォルトン 464億ドル(米国)
13位(13位) セルゲイ・ブリン 475億ドル(米国)
12位(12位) ラリー・ペイジ 488億ドル(米国)
11位(10位) マイケル・ブルームバーグ 500億ドル(米国)
10位(7位) ラリー・エリソン 585億ドル(米国)
8位(8位) デービッド・コック 600億ドル(米国)
8位(8位) チャールズ・コック 600億ドル(米国)
7位(6位) カルロス・スリム・ヘル 671億ドル(米国)
6位(4位) アマンシオ・オルテガ 700億ドル(スペイン)
5位(5位) マーク・ザッカーバーグ 710億ドル(米国)
4位(11位) ベルナール・アルノー 720億ドル(フランス)
3位(2位) ウォーレン・バフェット 840億ドル(米国)
2位(1位) ビル・ゲイツ 900億ドル(米国)
1位(3位) ジェフ・ベゾス 1120億ドル(米国)
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世界第4位の大富豪に急浮上したベルナール・アルノー氏とは?
11位から4位へ急浮上したベルナール・アルノー氏は、クリスチャン・ディオールやルイ・ヴィトンを傘下に置く高級ブランド帝国LVMHの取締役会長兼CEO。「フランス・ファッション界の帝王」「カシミヤを着たおおかみ」などの異名を持つが、ファッション産業に足を踏み入れた切っ掛けは父親から受け継いだ不動産事業だった。
アルノー氏は不動産業を営んでいた当時、クリスチャン・ディオールの親会社で破たんしたBoussac Saint-Freresを買収した。1987年にLVMHに投資したのを機に、その後会長に就任(ブリタニカ百科事典より)。次々とブランドを買収し、現在70ものブランドを保有するLVMH帝国を築き上げた。 大手スーパー、カルフールの第2の大株主でもある。
2017年はクリスチャン・ディオールの完全子会社化を実施したことで、過去1年で資産が305億ドル増え、世界4位の大富豪となった。
ほかにロレアルの株の33%を保有するフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ氏と一族、インド最大のコングロマリット、リライアンス・インダストリーズ会長、ムケシュ・アンバニ氏が初のトップ30入りを果たした。
騰訊の急成長で騰訊CEOが「中国一の大富豪」に
2017年版で中国1位だった王健林氏に代わり、騰訊の創業者兼CEOである馬化騰氏が同国のトップに。1998年に設立された騰訊の株式時価総額は2017年11月に5000億ドルを突破し、中国のIT企業としては初めて米国の巨大企業と肩をならべる水準にまで成長を遂げた。株式時価総額が5220億ドルのFacebookにあと一歩で手が届く勢いだ(フィナンシャル・タイムズ2017年11月20日付記事) 。
この急成長が馬化騰氏の資産を大きく膨らませた。2017年は写真共有アプリ「Snapchat」の株を12%取得したほか、ポストIPOでも投資している。
中国・香港からふたりの不動産王がトップ30入り
馬化騰氏とともにトップ30入りを果たした中国不動産大手、恒大集団会長、許家印氏は大学卒業後、鋼工場で10年間技術者として働き、1996年に恒大集団を立ち上げた。現在は本国で200以上の都市で事業を展開している。
また医療事業である恒大健康産業集団では、米国のブリガム・アンド・ウィメンズ病院と提携している。
永恒基?会長の李兆基氏は「月に1~2回しか肉や魚を食べれなかった」というほど貧しい境遇で育った。香港のビリオネア実業家、郭炳聯氏の父親と1963年、新鴻基地産を設立 。1976年にはヘンダーソン・ランド・デベロップメントを設立し、1981年に香港証券取引所に上場。中国を代表する不動産王のひとりとなった。慈善活動にも積極的で、過去数年で400万ドル以上を教育関連に寄付している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)
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