今後のライフプランを考えた時に、預金に加えて投資をして資産形成を行った方が良いと考える人もいるのではないでしょうか。その時に検討したいのが積立投資です。しかし、やみくもに積立をしても、自分が必要とする目標金額に達しない可能性があります。積立投資をする時にはシミュレーションを行ったうえでスタートした方が良い理由をお伝えします。

積立投資とは

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(写真=SG SHOT/shutterstock.com)

積立投資とは、投資信託などを定期的に(主に毎月)、決められた金額で継続して購入する方法です。このような投資手法のことを「ドル・コスト平均法」と呼び、長期的にみて取得価額を平準化できる投資法として使われています。

2018年から始まった「つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」は積立の手法を使いますし、2017年に対象範囲が拡大されたiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)も積立で老後に向けて自分で資産形成を行う制度です。

押さえておきたい積立投資のポイント

では、実際に積立投資を始めるためには、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。

まずは、何のためにいつまで積立投資するか、という目標を明確にすることです。例えば「5年後に、マイホームの頭金として200万円」とか、「10年後に、子供の教育資金として500万円」、「20年後に、老後の生活資金として800万円」のように考えます。

次に、自分が定期的に積み立てられる額や初めに投資できる額を考えます。「今投資できるお金はないけれど月3万円くらいは捻出できる」とか「月1万円が限界だけど、当面の余裕金が100万円ある」のように、毎月の生活費を確保した上で、積立に回せる金額を考えます。

最後に、リスクを取って高い運用利回りをめざすか、低い運用利回りでもリスクを抑えることをめざすか(リスク許容度)を考えます。

一般的に、債券に投資をする投資信託は期待される運用利回りが低く、株式に投資をする投資信託は期待される運用利回りが高いとされています。期待される運用利回りが高ければ資産が短期間で増える可能性もありますが、その分変動幅も大きいので、もし経済的なショックなどがあると、評価損を抱える可能性も高いのです。

ただし積立投資の場合、変動幅が大きくても取得価額を平準化できるので、10年~20年といった長期で考える場合はリスクを取れる余地が増します。そこで長期での積立投資を検討する際には、過去のデータなどを基にしたシミュレーションを行うことをおすすめします。

実際にシミュレーションをしてみる

それでは実際に、ドル・コスト平均法のシミュレーションをしてみましょう。ここでは、大和投資信託がインデックスファンド・シリーズ「iFree」の参考ツールとして提供している「iツール」のドル・コスト平均法シミュレーションを利用します。

シミュレーションはあくまでも過去の値動きや仮定の値動きでの検証結果ですので、必ずしもその通りになるわけではありません。しかし、投資対象の選定やリスクとリターンの管理には非常に有効な手段と言えます。

以下、「過去のデータで試算」はリーマンショックの前の2007年1月から2018年1月までの約11年、「将来を予測する」では開始月を決めずに投資期間10年で、それぞれ毎月1万円を積み立てるという条件でシミュレーションしています。

● 国内債券100%での投資 過去のデータで試算:総投資金額:1,330,000円、評価金額:1,482,555円、収益率:11.5% 将来を予測する:総投資金額:1,200,000円、評価金額:1,345,092円、収益率:12.1%

● 国内株式100%での投資 過去のデータで試算:総投資金額:1,330,000円、評価金額:2,488,736円、収益率:87.1% 将来を予測する:総投資金額:1,200,000円、評価金額:2,593,224円、収益率:116.1%

● 8資産均等での投資  ※8資産は、国内株式・国内債券・海外(先進国)株式・海外(先進国)債券、新興国株式・新興国債券・国内REIT(不動産投資信託)・海外REIT 過去のデータで試算:総投資金額:1,330,000円、評価金額:2,165,361円、収益率:62.8% 将来を予測する:総投資金額:1,200,000円、評価金額:2,183,153円、収益率:81.9%

【シミュレーションについての注意】選択した投資対象の「リターン」および「リスク」の値を用いて、モンテカルロ法を使って参考値を算出しております。将来の運用成果を保証するものではありません。シミュレーションに際しては、売買実行可能性、売買手数料および税金等投資信託に必要な費用は一切考慮していませんので、実際の運用結果とは異なります。ファンドの運用成果を保証するものではありません。各指数に直接投資することはできません。

過去のデータのシミュレーションはリーマンショック前からですが、株式を含んだ投資でも約11年の積立投資で大きな利益が出る試算になっています。また、国内債券と国内株式を比べると、国内株式の収益率が高いですが、これはリスク(変動幅)が大きい分の代償といえます。一方、8資産分散は国内債券と国内株式の中間程度のリスクですが、収益率は国内株式にやや近い値になっています。

このようなシミュレーションを踏まえて、目標とする金額と期間、毎月拠出できる金額、そしてリスク許容度を考慮して、どのような商品をどのような組み合わせで選んだら良いか検討します。

積立投資を始めよう

積立投資は、投資に多くの時間を割けない個人にとって、資産形成のための有効な手法だといえます。最初に「何に」「いくら」投資するかを決める必要はありますが、その後は年に1回程度見直しをすれば十分です。見直しのときもシミュレーションを活用しましょう。毎月の投資資金の増減やリスク許容度の変化などを反映させて、より効率の良い投資を検討してみましょう。 (提供:マネーLife Style

>>「iFree」のツールで具体的なシミュレーションをしてみよう http://ifree.qri.jp/ifree/iTool.html


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