日本が誇る偉人たちには、それぞれ生き様や人柄をあらわす金言がある。その人生に大切なこととは……。
「教えてもらった前と後で、見る目が変わります!」を合言葉に、滝川クリステルと学ぶ『教えてもらう前と後』(MBS・TBS系 毎週火曜よる8時放送)では、3月20日の放送で、経営の神様と称された松下幸之助の金言にスポットを当て、再現VTRは梅沢富美男が幸之助を熱演した。
幸之助の言葉からは、人生で大切なことが見えてくる。
何より人を大切にした松下幸之助
卓越した経営手腕から、経営の神様と言われた伝説の人物・松下幸之助。
市電を見て電気の時代が来ることを確信した松下は、23歳の時、人も、金も、コネもない中で「松下電気器具製作所」を創業。現在の「パナソニック」を築き上げた。
そんな彼が最も大切にしたのは「人」つまり「社員」だった。
早くから「社員運動会」などの社内イベントを企画して社員の一致団結を図ったというエピソードからも、彼の「人を大切にする」という哲学が見えてくる。
昭和4年(1929年)の「世界恐慌」で会社が絶体絶命の危機に陥った時、松下が遺した金言がある。
「世界恐慌」の影響を受けて、すでに多くの会社が倒産している中、松下電器も商品が売れ残っており経営が危ぶまれていた。
この苦境を乗り越えるため、幹部が病気療養中の松下の元を訪れ「従業員を半減するしかありません」と相談する。
その時の松下の一言が社員を変え、経営の危機を乗り切ることにつながった。
松下幸之助の金言、それは「一人も解雇したらダメだ!」
そして、「生産を直ちに半分にして工場は半日勤務とする。しかし従業員の給料は全額支給。その代わり休日を返上して在庫品の販売に全力を尽くしてもらいたい」と幹部に伝えた。
解雇されると怯えていた従業員はこれを聞いて奮起。社員の心に火がつき「在庫を売り切るぞ!」と一致団結して、2か月で全ての在庫を売り切ったのだ。
それ以前の昭和2年(1927年)。アイロンが一般家庭に普及する前のこんなエピソードも語り継がれている。
アイロンが販売され始めたが価格が高いことを危惧した松下は、ある技術者に「合理的な設計と量産で誰でも買える価格にしたい」と責任者に任命したのだ。
しかし、その相談を受けた技術者は電熱関係の経験のない金属加工が専門。
「無理です」と答える彼に松下が言った言葉は、
「君だったらできるよ。必ずできる」
彼はその言葉に自信をもらい、わずか3か月で低価格のアイロンを完成させる。
その技術者は、のちに松下の右腕となり副社長にまでなった。
このエピソードからも、松下は本人のやる気を引き出すことが誰よりも得意だったことがうかがえる。
松下はこう言っていた。
「松下電器は人を作るところでございます。合わせて電気製品を作っております」
そんな松下には社員を選ぶにあたってあるポイントがあった。採用試験の面接の最後にあることを質問し、その答え次第で採用を決めていたという。
松下はいったい何を聞いたのか、スタジオで予想した。
鈴木奈々は「あなたは最初にどこを洗いますか?」といきなりの大ボケ回答。
中山秀征は「仕事は好きですか?」
田中美佐子は「あなたは、愛とお金とどっちが大事ですか?」
松下幸之助の金言、採用試験で聞いたこととは、「君は運がいいか?」
その質問にはどんな思いが込められているのか。
「自分は運が強いんだと確信していれば、どんなことも受け入れて立ち向かう勇気と力が生まれてくる。人から見ると決して運がいいとは思えない状態であっても、自分は運がいいと思える前向きな考えができる人がふさわしい」と、松下は考えていたのだ。
『教えてもらう前と後』
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