シンカー:各国中央銀行は引き続き、景気が過熱しすぎ、資産バブルが形成される前に政策の正常化へ踏み切ろうとしている。FRBは3月に利上げに踏み切り、BOEも5月に利上げへ踏み切る可能性が高まっている。しかし、ここへ来て、米国経済の景気拡大モメンタムが弱まっている兆候も見え始め、政策担当者の景気先行きに対する自信が揺らぎ始めているようだ。早すぎる政策正常化・引き締めは景気の長期停滞やデフレに逆戻りの可能性を高めるため、慎重に見極める必要があるだろう。今後、金融政策の先行きを見極めるなか、マーケットのマクロファンダメンタルスに対する反応が強くなっていく可能性がある。

SG証券・会田氏の分析
(画像=PIXTA)

最新のSGグローバル・レポートと要約

米国経済(3/30):Q1のGDP成長率を確認…2018年の出だしは低調

2017年遅くからのモメンタムを受けて、FRBや各エコノミストは2018年の米国経済見通しを上方修正した。ただし2018年第1四半期(Q1)のGDP成長率は、発表済み経済指標を集計すると1.5%近くと見込まれる。2018年通年の弊社予測は変更しないが、FRBや市場の自信を現実的に再チェックする必要がある。

英国経済(3/28):次回の利上げは5月と見込まれる

英国BOEのMPC(金融政策委員会)は、(弊社が従来見込んでいた)8月ではなく5月に、次回利上げを行うと現時点ではみられる。このため弊社の予測も「5月に25BP利上げが行われ、その後2018年11月と2019年5月に追加利上げが実施される」に正式に変更する。

外国債券(4/2):春の外債投資開始に向けた10のチャート

  1. 次に押し寄せる弱気相場の波を待つ
  2. 市場のECBに対する期待は再びハト派的に
  3. ユーロ2年-5年スティープナーのロールダウン効果に着目
  4. 米国イールドカーブはさらにフラット化する可能性も
  5. 米国のインフレ、実質利回り、当面の10年債レンジ
  6. BEIの健全な修正
  7. ソブリン格付けのさらなる動きに警戒せよ
  8. 4月のユーロ圏国債の純供給額は大幅なマイナス
  9. BOEの英国債買い入れ:アセット・スワップへの影響
  10. ユーロ/ドルのクロスカレンシー・ベーシスはさらにタイト化へ

過去の翻訳レポートを弊社のリサーチサイト( https://insight.sgmarkets.com/#/page/japanese )に掲載しています。

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ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司