毎年のように新しいモデルがでるスマートフォンだが、使わなくなったスマホはどうしているだろうか。最近のスマホは一括購入すれば10万円前後するシロモノだけに、部屋の片隅でホコリをかぶっているだけだと、非常にもったいない。すぐに使える転用方法をまとめてみた。

スマートフォン,機種変更
(画像=VGstockstudio/ shutterstock.com)

音楽や動画の再生専用プレーヤーにする

最も手軽な使い道が、音楽や動画の再生専用プレーヤーにすること。本体や外付けのメモリーカードに音楽や動画を詰め込んで持ち出すわけだ。機種が古くても、音楽の保存方法とイヤホンしだいで音質は十分なものになるし、古すぎない機種なら動画の画質が悪すぎるということはない。Wi-FiにつなげばYouTubeやKindleの閲覧、Apple Musicなどストリーミングサービスも利用できる。

この最大のメリットは、外出時に使用しているスマホのバッテリー切れを気にしなくてもよいことだ。スマホで電源をいちばん食うのは画面を点灯させることと言われている。音楽を選ぶ操作や動画を再生する操作でどんどんバッテリーが失われていく。その作業を旧スマホにやらせれば、メインのスマホのバッテリー不足を気にすることもなくなり、精神的な不安も軽減されるだろう。

在宅時でも、Wi-Fiにつなげば使い道は幅広い。Amazonプライムでビデオを再生しながらデスク作業をしたり、クラウドに撮りためた写真をスライドショーで閲覧したり、入浴中にradikoを聞いたりSNSをチェックしたりする可能だ。

サイフ代わりに使える

最近、コンビニなどの小売店や飲食店で、紙幣や硬貨を使わないスマート決済の普及が目覚ましい。古いスマホをWi-Fi接続してチャージしておけば、オフラインでもおサイフ代わりに使える。日常使いのスマホでスマート決済を使うと「手軽すぎて金銭感覚がおかしくなってしまう」という人にとっては、サイフを開けて小銭を数える煩わしさはないままで、かばんから旧機種を取り出すプロセスで「お金を使うぞ」という心づもりができるうえ、決済履歴を一元化できる。

格安SIMを使えば2台目になる

機種によっては、格安スマホに対応しているので、2台目として持ったり、祖父母や子供用にしたりというのも手だろう。今では使う人が少なくなってしまった「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」などのいわゆるキャリアメールは使えないが、通話やLINEは使えるので、スマホとして何の問題もない。ただ、手持ちの機種が格安SIMで稼働するかの確認だけは忘れないようにしよう。

自宅の監視カメラでペットを見守る

スマホに付いているカメラは年々、とてつもない進化を遂げている。インスタ映えなど写真需要の高まりとともに、カメラもはやスマホ機能の主役に躍り出ている感がある。これを自宅の監視カメラとして利用する方法がある。

例えば「余ったスマホのカメラで見守りを。」をキャッチコピーにしたアプリ「Rusuban Cam(留守番カメラ)」。これをダウンロードし、Wi-Fi環境で三脚にスマホをセットして電源をつないだままにすれば、24時間の監視カメラが完成する。これがあれば、自宅にいないときでもペットの見守りや、家族の入退室が可能となる。

レアものには高値がつく?

売るというのも堂々たる選択肢だ。近年は買い取り専門店がゴロゴロしているし、地方でも幹線道路沿いの大型リサイクルショップでは中古の旧機種を販売しているのをよく見かける。型落ちしたものでもまだ新しいものは買い取り価格が高いし、マニアが好むレアものだと思わぬ高値が付くこともある。とはいえ、基本的には「1000円でも2000円でも値が付けば、1回の食事代になるからラッキー」くらいの軽い気持ちで臨んだ方がいいだろう。

五輪のメダルにしてしまう

最後に、同様に手放してしまうことにはなるが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで選手に授与されるメダルに変えるということもできる。東京2020組織委員会は五輪への国民の参画プログラムの一環として、持続可能な資源利用の実現を目指して「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」を展開している。メダル5000個を集めた携帯電話やパソコン、デジタルカメラなどの小型家電から抽出したリサイクル金属を用いて製作するのだが、こうした試みは五輪史上、東京五輪が初めてという。

この4月からドコモショップや一部自治体に専用回収ボックスを設けて受け付けを始めているので、プロジェクトの趣旨に賛同した人は、参加してみるのもいいだろう。(フリーライター 飛鳥一咲)