4月16~20日の東京株式市場は堅調に推移した。米英仏のシリア攻撃が限定的な内容となったことに加え、海外投資家が日本株を買い越す姿勢に転じていること等を背景に水準を切り上げる展開となった。日経平均株価は2月末以来、約1カ月半ぶりに2万2000円台を回復。20日終値は前週末比383円50銭高の2万2162円24銭だった。

ジャスダック「単元株価格」上位10銘柄

大森屋,株価
※画像はイメージです(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「単元株価格」上位10銘柄をみていこう。

(1)エスケー化研 <4628> 1000株 1120万円
(2)ナカボーテック <1787> 1000株 135万9000円
(3)太洋基礎工業 <1758> 1000株 134万9000円
(4)アオキスーパー <9977> 1000株 131万円
(5)松本油脂製薬 <4365> 100株 117万2000円
(6)シャクリー・グローバル・グループ <8205> 100株 102万円
(7)テクノクオーツ <5217> 100株 98万5000円
(8)大森屋 <2917> 1000株 91万1000円
(9)ハーバー研究所 <4925> 100株 88万1000円
(10)メディカル一光 <3353> 100株 84万4000円

※銘柄、証券コード、単元株数、単元株価格の順。20日終値現在。データはヤフーファイナンスより。

単元株とは株式市場で取引される「売買単位」のこと。単元株価格は、その銘柄を買うために「最低限必要な価格」である。たとえば1位のエスケー化研を買うためには1120万円が必要となる(20日終値現在)。

証券取引所は2018年10月までに単元株を100株に統一するように求めている。上記ランキングでは1000株単位の銘柄が上位に名を連ねているが、今後100株に引き下げることによって株主層の拡大を期待したいところだ。

大森屋、業績予想の上方修正で年初来高値を更新

今回は上記ランキングから、大森屋、エスケー化研、ナカボーテックの3社を取りあげる。

大森屋は大阪府大阪市に本社を置く食品メーカー。味付け海苔や焼き海苔、ふりかけ等の製造・販売を主力とする。創業は1927年と歴史ある会社だ。

4月10日、大森屋は2018年9月期の上期及び通期の連結業績予想を上方修正した。通期予想については売上高が前期比3.8%増の173億円、同じく営業利益を70.7%増の3億5000万円にそれぞれ引き上げている。

大森屋は今回の上方修正の背景について、原材料価格の高騰に伴い前期に実施した家庭用海苔の値上げが浸透したほか、ふりかけ等の新製品の販売も好調に推移、さらに業務用海苔も好調だったことを明らかにしている。

大森屋の株価は、今回の上方修正を受けて11日の取引時間中に995円まで上昇、年初来高値を更新した。1000円の大台にあとわずかに迫ったが、その後は利益確定の売りに押されている。

エスケー化研、人件費増が利益圧迫

エスケー化研は大阪府茨木市に本社を置く建築塗料・建築仕上げ材の大手メーカー。外装用や内装用の塗料、屋上防水材などを手掛けている。

2月9日、エスケー化研が発表した2017年4~12月期連結決算は、前年同期比で減収減益となった。耐火断熱材は首都圏の再開発事業の受注拡大で好調となったが、主力の建築仕上げ塗材は需要低迷で減収減益となった。人員増強により人件費が増加し、営業利益を圧迫している。

エスケー化研は2018年3月期の通期について現時点で増収増益予想を維持している。5月11日に通期決算を発表する。

ナカボーテック、業績予想を下方修正

ナカボーテックは、鉄鋼構造物や地中埋設物など建築物の腐食防止製品を幅広く手掛けるエンジニアリング会社。

4月16日、ナカボーテックは2018年3月期の業績予想修正を発表。売上高を109億円(従来予想110億円)、営業利益4億3000万円(同7億8500万円)、純利益3億2000万円(同5億6000万円)といずれも下方修正した。

受注は堅調で、売上高は前期比、従来予想比ともにほぼ横ばいとなっている。しかし、損益面は個別案件の利益率の低下や原材料価格の上昇、労務費・外注費の増加などが重なり、営業利益、純利益とも大幅な減益となる見通しだ。なお配当予想は1株あたり55円で据え置いている。

今回はジャスダック市場の「単元株価格」ランキングを紹介した。先に述べた通り、単元株が今後100株に統一され「単元株価格」も大きく引き下げられることによって、株主の裾野が拡大することを期待したい。(ZUU online 編集部)