シンカー:日本経済分析の変動要因となる、半年程度の短期のビューをまとめた。
グローバルな政策・景気・マーケットの不透明化などにより、短期的な景気モメンタムには衰えがみられる。
国内でも、天候不順や内閣支持率の低迷がみられる。
しかし、生産の増加基調は続いており、景気の底割れはなく、反転の時期は遠くはないとみられる。
図)短期景気インデックス
図)鉱工業生産・在庫循環
グローバルな政策・景気・マーケットの不透明感はあるが、海外需要と輸出動向は堅調に推移している。
IoT・AI・ロボティクス・ビッグデータなどの産業変化もあり、データセンターや車載向けの部品などの生産は、短期的には在庫調整があるものの、トレンドとして堅調な動きを続けるだろう。
更に、日本が比較優位を持つ資本財が堅調な伸びをみせるとともに、競争力の改善を反映して世界貿易に対する日本のシェアも上昇しているとみられる。
図)実質輸出と米ISM新規受注
図)電子部品デバイス生産・在庫循環
天候不順と政治の混乱により、国内需要と景気心理には短期的に下押し圧力がかかっているようだ。
賃金上昇と雇用不足を背景に、消費と設備投資は力強さを増していくとみられる。
そして、低下した支持率を持ち直すため、安倍内閣は積極的な経済政策を展開しようとするだろう。
図)景気ウォッチャーと内閣支持率
図)消費活動指数と資本財出荷
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司