インターネットやスマートフォンが普及してきたことに伴い、ニーズが高まってきたサービスがあります。それが、見知らぬ人やモノ・サービスを結びつける「マッチングサービス」です。古くは就職やバイトの求人や婚活などがありますが、そのサービスの種類も多様化してきています。これから新たな一歩を踏み出していきたいと考えている人は、ぜひこれらのサービスを活用してみてはいかがでしょうか?

マッチングサービスの市場規模と可能性

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(写真=Surasak Ch/Shutterstock.com)

マッチングサービスを活用する前に知っておきたいのは、その市場規模でしょう。マッチングサービスはさまざまな分野に及びますが、マッチングサービスの代表格の恋活(恋愛活動)や婚活(結婚活動)を例にあげてみてみましょう。

株式会社マッチングエージェントによる「2018オンライン恋活・婚活マッチングサービスの国内市場調査」によれば2018年はその市場規模が前年の256億円から46%増えて374億円まで増加、加えて2023年には現在の2.3倍の852億円の規模に拡大する見込みになると予測してます。

ちなみに、市場規模やサービスにおいて日本の先を行くアメリカでは、オンラインを通じた新たな出会いの創出が進んでいるといわれています。最初は検索型のサービスが主流だったアメリカの婚活マッチングサービスは、徐々にカジュアルにマッチングの場を創出したTinber、Bunmle、Hingeなどに移行していきました。これらは婚活を目的としている人はもちろんのこと、趣味なとの婚活以外の目的にも使われたているといわれています。TimberなどのサービスはSNSを通じたやり取りが必要なので、今後はそれらのやり取りの煩わしさを省いた新しいサービスが生まれる可能性があります。

婚活から仲間探しまで!新たな出会いの機会を広げるマッチングサービス

2018年2月に、2017年度のアプリの中で最も成長が著しかったものを表彰する「App Ape Award 2017」が開催されました。その中で、ユーザーの得票で選出される「Popular apps of the year 2017」と協賛企業賞(Appliv賞)のふたつを獲得したのが、恋活婚活マッチングアプリの『Pairs』です。累計会員数700万人以上、5,600万組ものカップルが生まれてきたサービスですが、匿名で利用できるほか、豊富な検索機能やコミュニティ機能の充実から利用者数を大きく伸ばしてきました。

加えて、アメリカ、カナダ、日本で利用できる『DINE』にも注目をしましょう。実はDINEはアメリカやカナダではすでに人気のあるサービスで、昨年の2017年の秋に日本でサービスを開始しました。CEOは日本人の上篠圭介氏です。100回のメールより1回の出会いを目的にサービスを展開しており、Timberなどとは異なり、まずは行きたいレストランを選んでから一緒に行きたい人を選ぶという流れです。日本ではまだまだこれからのサービスですが、手軽に人と出会えるサービスのひとつだと

また、自分の近くや世界中の人と出会える『Skout』というマッチングアプリも注目です。こちらは日本人同士ではなく、外国語の勉強をしたいという人や海外の人と交流をはかりたいと思っているユーザーから支持されています。

さらに、フリマアプリでおなじみのメルカリからは、無料で利用できる地域コミュニケーションアプリ『メルカリアッテ』がリリースされています。近所の人とあってモノを直接受け渡しできるほか、気の合う仲間が見つかるイベントの募集・応募もできます。

借りたい人と投資したい人をマッチング!新たな投資スタイル「ソーシャルレンディング」

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(写真=taa22/Shutterstock.com)

ソーシャルレンディングもマッチングサービスのひとつです。これはお金を借りたいと思っている人とお金を投資して増やしたいと思っている人をマッチングすることを指します。その魅力は、最低1万円~10万円と、少額からプロジェクトに投資できるところにあります。貸し倒れのリスクがあるものの、高利回りなどを期待できる商品としても注目を集めているのです。

株式会社矢野経済研究所によれば、2016年度の日本におけるソーシャルレンディングの市場規模は約672億円です。これは日本のクラウドファンディングの市場規模の90.3%を占めています。「投資」というと難しいイメージや不安がつきまといますが、こうした比較サイトをうまく活用することで、より身近な感覚で利用することができるでしょう。

就活は求人サイトからスカウトアプリへと変化の波が訪れている?

ほんの少し前までは、就職活動というと求人サイトに登録して企業と就職希望者のマッチングを行うというのが王道でした。しかしながら、2018年はその流れに少しずつ変化が訪れてきているようです。最近大きな話題になったTweetで、就活生が利用していたサービスについて触れられていました。

就活を終えたばかりの学生が利用していたのは、なんと大手の求人サイトではなく『OfferBox』をはじめとするスカウトアプリだったのです。エントリーシートのなどを記載することもなく、多くの企業からオファーをうけ就職が決まったそうです。就活生側から入りたい会社のドアをノックするのではなく、登録していたら企業側からお話を聞きたいと誘われる仕組みのこのスカウトアプリは、まさに売り手市場のこの時代に合ったマッチングサービスといえます。

ニッチなニーズを満たしてくれるマッチングサービスも登場!

今回ピックアップしたのは、どちらかというと実用的なマッチングサービスだけです。しかし、もちろんそれだけではなくニッチなニーズに応えてくれるものも世の中には多数存在しています。なかには、「イケメンでメソメソ泣く男性」が職場にやってきて、一緒に泣ける動画を見てくれる『イケメソ宅泣便』という一風変わったサービスもあるのです。さらに、1杯のコーヒーを飲む時間を一緒に過ごすための出会いサービス『Coffee Meeting』といった、ユニークなマッチングサービスもあります。

また、ものぐさな人向けに家事を代行してくれるマッチングサービス『DMM Okan』も2016年12月よりスタートしました。掃除や洗濯、料理に服の修理など、まさに「おかん」に変わって身の回りのお世話をしてくれるというコンセプトです。

このように実用的なものばかりではなく、自分が思い浮かべている心のニーズを満たしてくれるマッチングサービスを見つけることで、日々の暮らしをより豊かなものにすることができるのです。

AIがマッチングサービスの精度をあげる!

このように、マッチングサービスはさまざまな分野で人と人、人とモノ、そして人とサービスを結びつける役割を担っています。上述した結婚や恋愛、就職活動、ビジネスマッチングなど、さまざまな分野でのマッチングはAIによって行われている場合があります。

AIがアプリで登録された内容とSNSでの投稿やシェアなどからその人の本質や傾向を分析し、その人にあった人や職業などを選んでくれます。もちろん、AIは人の気持ちを汲むことはできないため、精度は100%とはいえないかもしれませんが、気持ちを除けばその人の行動や言動から最適だと思うものを判断してくれます。自分で考えることなしに、効率的に判断してもらえるようになるのです。

自分で判断しないことについて良し悪しはあるかもしれません。しかし、マッチングサービスで結び付けられた後の行動や思考こそが大事だと思えば、最初の一歩がAIの力でもよいのではないでしょうか。最終的にマッチングサービスを使って選ぶのは自分自身。その後、どのようにして結びついた人、モノ、サービスとよく付き合っていくのかも自分で考えることです。最初の一歩を踏み出すための最適なサービスのひとつがマッチングサービスだという位置づけだと考え、自分の今後を見据えて利用してみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style


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