株式投資をしてみて、損してしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。明日の株価は誰にも分らないのですから、百戦百勝は難しく必勝法もありません。とはいえ同じ失敗を繰り返していると大切な資産が減り、必要な時にお金を準備出来ない事態が発生するかもしれません。

株式投資で失敗する人の共通点を知り、同じ失敗を繰り返さないことで運用成績の向上を目指しましょう。

株式投資の失敗とはどのようなこと?

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(写真=Studio KIWI/Shutterstock.com)

株式投資では、値上がりが期待できると考えて購入した銘柄でも狙いどおりに値上がりせず、逆にどんどん値下がりして大きな損失を出してしまったり、含み損を抱えたまま塩漬けになったりすることがあります。

資産が減少し、損失を取り戻そうと追加資金で売買を繰り返すと、日々の生活に必要な資金にも手を出してしまう可能性があります。そうすると、気がつけば預貯金がなくなり、生活に困るかもしれません。これが株式投資の失敗です。

株式投資で失敗する人の4つの共通点

株式投資で失敗する人には、気持ちのコントロールができないことに起因するいくつかの共通点があるようです。それぞれ、どのような共通点があるのかをみてみましょう。

その1.自分で決めた損切り(ロスカット)に関するルールを守れずに過熱してしまう

株式投資をしている人の中には、損切りのルール(いくら損したら売る、いくら下がったら売るなど)を決めているにもかかわらず、いざ保有資産の評価額が下がると、どうにかして損失を取り戻そうと躍起になる人がいます。

そういった人たちは損失を認めることが悔しくてたまらないのです。しかし、投資において、損切りのラインを決めておくことは大事なことです。諦めて損切りした途端に株価が暴騰して悔しい思いをすることも珍しくありませんが、「悔しいから損切りできない」というのは失敗する人の典型だといえるでしょう。

損切りしないで含み損を抱えたまま塩漬けにしていると、運用効率を悪化させるだけでなく、損失が大きくなって傷口をさらに広げかねません。

その2.余裕資金だけではなく、生活資金にも手をつけてしまう

次に考えたいのは資金管理です。相場格言に「命金には手をつけるな」と言う言葉がありますが、投資はあくまでも余裕資金で行うものです。生活費や老後資金に食い込むまで資金を投入しないことが鉄則です。株式投資をギャンブルのように考えて一獲千金を狙うことも禁物でしょう。

同じように、「相場の金と凧の糸は出し切るな」という格言がありますが、資金を温存・待機させておくことは大切なことです。一時的な要因で株価が急落したような絶好の買い場が到来しても、手元に資金が残っていなければ投資機会を活かすことができません。

いずれにしても、損失を出したことで熱くなり、損失を取り戻そうと生活に必要な資金を投入することは避けなければなりません。資金に余裕があれば、冷静になって相場を客観的に見ることもできるでしょう。

その3. 株価が上昇している銘柄に飛びついて高値掴みになる

投資を始めると、株価の動きに敏感になります。そのため、株価が上昇していると分かれば、さらに上昇するかもしれないと思い、その銘柄を買う人がいます。しかし、株価が上昇しているということはそれだけ買いたい人が多いということです。よく状況を見なければ、高値で購入することになるかもしれません。株価が上昇している銘柄を購入する時は、短期的な目線ではなく、長期的に見て成長する企業なのかどうかをよく考える必要があります。

その4. 少し利益が出るとすぐに売却してしまうので大きな利益を取り逃がす

株で損したくないと思う人にありがちなのが、薄利(少しの利益)で売買を繰り返すことです。長期的に保有することでテンバガー(株価が10倍になる銘柄)になったかもしれない銘柄でも、利益が出始めると、株価が反落して折角の利益がなくなってしまうことが心配になって、少しの利益ですぐに売却してしまう人もいます。

短期売買には短期売買の良さもありますが、売買を繰り返せば繰り返すほど売買手数料もかかります。利益を確定したいと思ったら、単に利益がなくなってしまうことだけを心配しているのではないか、あるいは企業の業績や成長性に変化はないかなど、改めて自分の心理状態や投資環境を再検討してから行動しましょう。

「失敗は成功のもと」自分ルールを守り、経験値を上げよう

失敗を繰り返さないためには、自分で決めたルールを徹底するための自制心を高めることが重要です。そのためには「休むも相場」として、損失を出した時は一旦休んで冷静になり、百戦百勝は難しいことを思い出し、自分が置かれた状況を客観的に見ることが必要です。投資日記のようなものをつけて、自分の成功パターンや失敗パターンを振り返るのも、失敗を減らすのに有効な方法でしょう。

また意外と認識されていないことですが、短期投資か長期投資かという投資スタンスによって、そもそも投資対象となる銘柄が異なり、対処法も異なります。自分が投資対象としていた銘柄が、自分の投資スタンスに適しているのかどうかを見直すことも、失敗を克服することにつながるかもしれません。

とはいえ、将来を予想して投資するのが株式投資。この注意点を守れば必ず利益が出る、というものではありません。たとえ失敗してしまっても、失敗は成功のもととも言いますから、失敗から学び、投資家としての経験値を上げることで運用成績も向上していくのではないでしょうか。(提供:マネーLife Style


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