がん保障は本当に高額になるのか
がんは2人に1人はなるといわれており、部位によって差は出るものの入院平均日数はざっくりでいくと15日前後、治療費は20万円~30万円くらいだとされています。この数字だけ見ると高額な保障のがん保険に加入しなければいけないのではないかと思うことでしょう。
ただしこれはあくまで診断料を書いただけです。果たしてこの金額を基準にしてがん保険に加入していいのかどうか、という観点から3つのポイントにわけて解説していきたいと思います。
①がん保険にしっておきたい健康保険の「高額療養費」と確定申告の「医療費控除」
入院料金ですが先ほどの項目で入院日数が20日、医療費が30万円、差額ベッド代が平均の5000円と仮定して20日で10万円とします。これを合算し計算すると40万円になり保障の充実した保険に入らないとだめだ、という計算になります。しかしながら、ご存知の方もいると思いますが健康保険には高額療養費という制度があります。
この制度を大まかに説明すると住民税が非課税の方は34500円、一般所得所は80,100円+(医療費-267,000円)×1%、標準報酬月額53万円以上(年収約636万円)の人は150,000円+(医療費-500,000円)×1%で健康保険の範囲内で医療費負担を軽くできます。
この計算式を先ほどの入院代で一般所得者に当てはめると医療費は約87000円で差額ベッド代が10万円で合計19万円になります。さらに年間で医療費が10万円を超えた場合は確定申告で医療費控除をすることで所得税の還付が受けられ、来年以降の住民税の軽減ができます。ちなみに医療費控除は健康保険に該当しない先進医療なども対象になります。つまりがんにかかった際には社会保障の恩恵を受けられる方は差額ベッド代をいれても20万円前後の医療費になりますので1日5000円くらいの医療保険でも十分まかなえますし、貯金がある方は平均の場合であれば貯金を切り崩すという選択肢もあります。
②がんにかかった際、高額療養費が適用にならない確率
がんは2人に1人になる病気は事実です。ただ上記のような①で示した例に加え、最近は早期発見であれば入院期間も短縮され通院だけという例も増えてきておりがん患者全体で高額療養費の適用になる方は85%前後であると言われております。健康保険の対象外になる先進医療、抗がん剤治療になる方は15%前後です。がんになる人は2人に1人なので要するに高額療養が適応されない先進医療、抗がん剤になる確率は全人口で見ると100人に7人前後という低い確率になります。
要するに早期発見であれば殆ど健康保険内で収まるということになります。加入者はこの事実を知ったうえでがんに対する保険を考えていかないといけません。