5月21~25日の東京株式市場は軟調に推移した。米朝首脳会談の中止に加え、米国による輸入車への関税措置の検討、イタリア新政権の財政政策の先行き懸念等を背景に調整ムードが広がった。25日の日経平均株価は前週末比479円57銭安の2万2450円79銭で取引を終了、週間ベースで9週ぶりの下落となった。

25日移動平均からの「高かい離率」ランキング

応用技術,株価
(画像=PIXTA)

それでは、今回はジャスダック市場の「25日移動平均からの高かい離率」ランキングを見ていこう。

(1)岡藤ホールディングス <8705> 265円 174円08銭 +52.23%
(2)やまねメディカル <2144> 436円 290円05銭 +50.32%
(3)セキュアヴェイル <3042> 1309円 903円07銭 +44.95%
(4)クロスキャット <2307> 1559円 1117円08銭 +39.56%
(5)SAMURAI&J PARTNERS <4764> 461円 355円27銭 +29.76%
(6)アイフリークモバイル <3845> 378円 292円84銭 +29.08%
(7)アズジェント <4288> 2489円 1930円21銭 +28.95%
(8)ジャストプランニング <4287> 3495円 2749円80銭 +27.10%
(9)応用技術 <4356> 1280円 1022円94銭 +25.13%
(10)ビジョナリーホールディングス <9263> 141円 112円92銭 +24.87%
※銘柄、証券コード、25日移動平均からのかい離率の順、25日現在。

この週の新興株式市場は強含み。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均株価ともに前週末終値を上回った。日経平均が調整ムードとなる中、新興株式市場は引き続き個人投資家の買いは衰えていないようだ。なお、上記ランキングを業種別でみると情報・通信業が7銘柄で最多となった。その他は証券・商品先物取引業、サービス業、小売業が各1銘柄となっている。

応用技術、1~3月期決算は好スタート

今回は上記ランキングから応用技術、SAMURAI&J PARTNERS、岡藤ホールディングス(HD)を取りあげる。

応用技術は、企業や自治体向けに情報システム及び解析サービスを提供するコンサルティング会社。トランスコスモス <9715> 傘下の上場企業で、同社が6割超の株式を保有している。

5月10日、応用技術は2018年1~3月期決算を発表した。それによると売上高は前年同期比18.9%増の9億7400万円、同じく営業利益26.7%増の1億4500万円、純利益25.8%増の1億円といずれも好調だった。

応用技術は6月中間の業績予想について営業利益2億円、純利益1億3400万円の従来予想を据え置いている。しかし、1~3月期の数字が好調だったことから株式市場では業績上方修正への期待も強く、発表翌日の11日にストップ高を記録するなど人気化した。応用技術株の25日移動平均かい離率は+25.13%となり、今回のランキングで9位となった。

SAMURAI&J PARTNERS、「仮想通貨保有者向け貸金事業」に参入

SAMURAI&J PARTNERSはネットワークアクセス高速化ミドルウェアなどの販売保守業務等のITサービス事業のほか、自社ビル賃貸事業や金融関連事業も手掛ける企業。東京都港区に本社を置く。

5月10日、同社は連結子会社のSAMURAI ASSET FINANCEが新たな事業として「仮想通貨保有者向けの貸金事業」の検討を開始すると発表した。これを受けてジャスダック市場では投資家の買いが膨らんだ。その結果、同社の25日移動平均かい離率は+29.76%となり、今回のランキングで5位となっている。

岡藤HD、日産証券と資本業務提携

岡藤HDは商品先物取引の岡藤商事を母体として設立された持ち株会社。岡藤商事、三京証券、日本フィナンシャルセキュリティーズをグループ傘下に持つ。

5月21日、岡藤HDは日産証券との資本業務提携を発表した。日産証券は岡藤HDの株式の約18%を保有する筆頭株主となる。また、両社は中国や東南アジアを中心とした海外での商品先物市場の顧客開拓と、取引システムの共同利用でも合意したことを明らかにしている。岡藤HD株は発表翌日の22日から投資家の買いを集めて大幅高となり、今回のランキングでTOPとなった。(ZUU online 編集部)