2018年3月23日、本田圭佑氏がALI(Aerial Lab Industries)社に出資をしたというニュースが流れました。本田圭佑氏といえば、日本サッカー界を背負って立つ存在で、トップアスリートとして世界でも大活躍。サッカー選手としてトレーニングや試合など忙しい日々を送る本田氏には、実はもう一つの顔があるのをご存じでしょうか。彼は投資家、事業家としての一面も持っています。どうして本田氏は事業家としても活動しているのでしょうか。
世界のアスリートは事業家転身している?
世界ではトップアスリートたちが引退後に事業を行うことは珍しいことではありません。世界のトップアスリートは経営や経済などを勉強している人が多いようです。よくよく考えてみると、海外のスポーツ選手は文武両道で、名門校に通いながらスポーツ選手としても成功している人もいます。彼らは学友たちとさまざまな情報交換を行い、ビジネスパーソンとしての基礎を身につけ、引退後の自分の方向性を考えるのかもしれません。
また、アスリートたちは自分たちのパフォーマンスそのものが商品価値であることをよく知っています。価値があるかどうか、それだけ報酬を出してもよいのかを常に見られているわけですから、自分のことを自分で経営する力を知らないうちに養っているのです。それを第二の人生で発揮しているということになります。
日本では引退後は指導者として生きる人もたくさんいますが、スポーツ選手の中には、現役中や引退後に実業家として活躍する選手が登場しています。有名なところでは、元サッカーの日本代表の中田英寿氏、メジャーリーガーの長谷川滋利氏、元日本代表の浦和レッズの鈴木啓太氏、元プロ野球巨人の條辺剛氏など、さまざまな選手が自らの選んだ道で事業を成功させています。また、彼らの中には支援者として出資を行っている人もいます。
実業家としての顔「ホンダ・エスティーロ」
実は本田氏も現役サッカー選手として活躍している一方で、実業家・支援者という顔を持っています。現在、本田氏はメキシコのバチューカに所属をしていますが、本業が慌ただしい中、ホンダ・エスティーロという個人のマネジメント会社を立ち上げています。ここで、彼はSOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOLというサッカースクールを運営し、国内では71校目になるスクールを2018年3月26日でに開校しました。海外でもスクール運営を行い、徐々にその活躍の場を広げています。
もうひとつの事業は海外のサッカークラブへの参画です。2015年にオーストリアのSVホルンの経営に携わるようになり、成果をおさめました。その後、2017年にはカンボジアのサッカーチームアンコールFCの運営にも参画、ウガンダのブライトスターズFCも買収するなど、海外のサッカーチームの運営にも果敢に乗り出しています。世界一のサッカー選手になりたいと望み、ずっと夢に向かって取り組んできた本田選手が、若き選手たちや将来を担う子どもたちのために、このように自分の会社を通じてサッカー新興を行っているといえるのではないでしょうか。
「Change The World」KSK Angel Fundを立ち上げ、支援者に
本田氏のもうひとつの顔は、支援者でしょう。本田選手はより良い未来の創造を考え、出資をしているそうです。冒頭に出資を行ったとお伝えしたALI社はドローン関連の会社です。出資が公表された時、プレスリリースの中に本田氏のコメントにはこのようなことが書いてありました。
ドローンを通じてカンボジアやウガンダなどの発展途上国の物流問題を解決したい、ドローンを通じて発展途上国にインターネット環境を提供し、教育水準を向上させたい、そして監視カメラつきドローンにとって安全な社会を築きたい。(プレスリリース要約)
実際に、カンボジアやウガンダのサッカーチームの運営にも携わって、途上国の状況をよく理解している彼だからこそのコメントだと言えるのではないでしょうか。
本田氏は日本の会社にも幾つか出資を行っています。例えば、最初に出資をしたのが2016年9月のライフイズテックです。昨年には購入型クラウドファンディングのプラットフォームを運営しているMakuake社、2018年2月にはスポーツベッティング企業のジャングルX社などにも出資しました。本田氏が出資したというだけでも話題になりますが、その根底には本田氏の子どもたちの教育や未来に有益だと思う事業へ支援したいという思いが込められています。
実際に彼のSNSでは、なぜ出資先の企業に選定したのかなどの理由を彼の熱い気持ちとともにつぶやいています。それを見ると、自己実現に向かって進んでいる人を支援する本田氏の思いがよく分かります。
アスリートだけではない。誰でも支援者になれる
とはいえ、世界で活躍しているアスリートたちは資産があるから大規模な支援ができるのだと思う人もいるかもしれません。しかし、出資して企業を支援するにしても、その前には出資しても大丈夫だと判断できる裏付けが必要です。そういった、情報収集力、将来を見据えた分析力、判断力、人脈などがあるからこそ、投資ができるといえるでしょう。
今後、個のスキルや能力がより重要視される世の中が訪れるかもしれません。もし、誰かを出資したいと思った時、上述した能力を養えば、本田氏と同じ額の支援はできなくても、出来る範囲で支援者として投資をする事もできることでしょう。また、冷静に未来を見つつも、目の前のことにがむしゃらに頑張っていれば、本田氏のような人と出会う機会に巡り会えるかもしれません。
そんな日が来る前に私たちはどのような能力を身に着けたらよいのでしょうか。一人ひとりが考えて、よりよい自分を目指して行動してみましょう。(提供:J.Score Style)
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