不祥事をきっかけに、フェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に書き込みが殺到する「炎上」が後を絶たない。SNSは企業の広告戦略に欠かせないツールとなりつつあり、立派な経営リスクと言える。こうした問題の対策で活躍するイー・ガーディアン(=Eガディアン、6050)などに商機が広がりそうだ。

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(画像=PIXTA)

SNSはさまざまな人々や企業と自由につながり、相互に情報を発信し合える利便性がある半面、第三者も発言を確認できることで不用意な表現は批判にさらされる。また、SNSそのものの影響も大きく、海外ではツイッターを使いセクハラを告発する「#Metoo(ハッシュタグ・ミートゥー)」と呼ばれる運動で映画業界にスキャンダルの嵐が巻き起こっている。

フェイスブックの1日当たりのユーザー数は14億人を超える。インスタグラムやツイッター、LINEなどでも、過去に社員の不用意な発言や写真投稿で企業が謝罪に追い込まれたケースは数多くある。SNSの利用者や企業が増えるほど、その対策が重要となる。

SOMPOホールディングス(8630)傘下の損害保険ジャパン日本東亜は昨年、国内で初めてネット炎上に特化した保険を発売。ほかの保険会社も同様の商品を取り扱い始めた。トランスコスモス(9715)は、ネット風評被害の監視から緊急事態発生時のコールセンター開設まで、炎上対策を網羅したサービスを手掛ける。情報漏えいなどの問題に対してもチャットで窓口対応を行うシステムを開発し、ネット上のリスクに備える需要の取り込みを強化している。

Eガディアンは1日当たり300サイト・100万件のネットへの有人監視を行う。企業の広告審査や動画投稿におけるセキュリティーまで事業領域を広げている。SNS監視にも実績を持ち、大手企業向けでも問題解決につなげている。

Eガディアンの今9月期上期の連結営業利益は前年同期比35%増の5.2億円。足元の業績も好調で、株価は4月の高値4825円へ向けて戻り歩調を強めつつある。

エルテス(3967・M)は、社内で起きる不正行為をAI(人工知能)で事前に検知するシステムや、SNSを活用してイベントなどの安全を確認するサービスを展開する。データセクション(=Dセクション、3905・M)もAI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)を活用し、監視技術を高度化している。このほか、関連銘柄としてはホットリンク(3680・M)、セキュアヴェイル(3042・JQ)などもマークしたい。(5月23日株式新聞掲載記事)

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