お金を知るうえで基本となるのが、「フロー」と「ストック」です。自分の手持ちのお金をこの2つに分けて把握して「いかに両者を最大化するか」がポイントとなります。「お金持ちの体質」をフローとストックの両面から分解し、お金持ちになる方法を考えていきましょう。

お金持ちの基礎知識!フローとストックとは?

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(写真=Fer Gregory/Shutterstock.com)

一般的に、フローとは出入りするお金、ストックとは資産のことです。個人レベルでいうと、毎月の給料や支出がフロー、その結果作られる貯金がストックに当たると考えられます。お金をフローとストックに分けて考えることで、「お金持ち」という漠然としたイメージが具体的になるでしょう。まず、お金持ちをイメージしたときの「お金」は、すなわちストックであるとみなすことができます。

もちろん、莫大な収入があればお金持ちになりそうに感じるでしょうが、それが手元に残らず消えてしまったらお金持ちにはなれません。お金持ちとは、何よりお金のストックをたくさん持っている人のことなのです。ストックがたくさんあるのがお金持ちなので、フローの多い人が必ずお金持ちになれるわけではありません。

たとえば、宝くじで大当たりした人が、そのお金を散財して破産してしまうという話を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。このケースは、「フローをストックに転換できなかった」と一般化できます。逆に、フローが少なくてもお金持ちになれるケースもあります。たとえば、支出を抑えてこつこつと貯金を続け、それを種銭として資産運用を続けた場合は大きなストックを形成できるでしょう。

たとえば、毎月5万円を貯金し、それを年率5%で運用したとすると、40年で約7,630万円を超えるストックになります。「ちりも積もれば山となる」ということわざの通り、地道な積み立てによってお金持ちになることは可能なのです。

ストックを理解しないと一生お金で苦労する

資産運用をしていない人は、お金のストックについてあまり意識が向いていません。収入を超える支出が出ると赤字になってしまうので、そうならないよう気をつけている人は多いでしょう。しかし、それはフローの話であり、お金の持つもう一つの側面を考慮していることにはなりません。さらに、フローにすら目を向けず「使いたいだけ使う」という生活を送る人もいるでしょう。

しかし、フローばかりを重視してストックに目を向けないと、お金持ちになることは難しいでしょう。お金持ちになる方法論は「お金持ち=フロー+ストック×利回り」で表すことができます。フローは、当然(収入-支出)で表現可能です。稼いだお金から出ていくお金を引いた残りが「貯金」となります。ここで重要なのは、フローは次の月からストックに変わるという点です。

「そんなのは当たり前だ」「わかりきっている」と思う人もいるかもしれません。しかし、「ストックをどうするか」について考えていない人もいるのではないでしょうか。上の式で分かる通り、ストックに対する利回りを高めることで、ストックはどんどん増えていきます。逆に、利回りが低ければ増加率も下がってしまう傾向です。

マイナス金利の現代において、金融機関に預けているだけでは利回りはほぼゼロ(手数料でマイナスになることも)です。もちろん、フローを増やすことも重要ですが、給料が急に2倍や3倍になることはないでしょう。支出を抑えるにしても、限度があります。そう考えると、「ストックをいかに活用できるか」がお金持ちになるために重要なのです。

フローとストックの好循環でお金持ちを目指す

フローはストックに転換し、ストックはフローになります。収入から支出を引いた残りは、資産として運用対象へ変わります。そして、ストックを運用した結果、配当金や家賃収入、利息などの形でフローが産みだされます。フローとストックは、循環する関係にあるのです。資産運用をしない人は、この循環の輪を自ら断ち切っている状態にあるといえるでしょう。

フローをどれだけストックとし、ストックからどれだけフローを生み出せるかが、お金にかかわる戦略のすべてです。株式、不動産、副業などお金にまつわるトピックは多岐にわたりますが、いずれもこの戦略を実行する手段に過ぎません。株式や不動産に投資すること自体が目的なのではないわけです。ぜひ、フローとストックの現状を見直し、好循環を生み出すための収入アップや資産形成のための取り組みを始めましょう。(提供:Incomepress


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