「デジタルマーケティング」という言葉を、さまざまなメディアで聞く機会が増えています。スマートフォンやパソコン、タブレットなどが急激に普及し、企業のマーケティング戦略も大きく変化しています。

デジタルマーケティングとは、デジタルメディアを通じてブランドや商品のプロモーションを行うマーケティング手法です。欧米を軸に発展し続けるデジタルマーケティング関連のテクノロジーは日本でも普及。その背景や実践している企業例と理由、成功への秘訣などを考えてみます。

なぜデジタルマーケティングがこんなに騒がれているのか

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(写真=Michail Petrov/Shutterstock.com)

デジタルメディアの爆発的な普及で常時、消費者はどこでも必要な情報にアクセスできる時代です。通常、インターネット上のウェブサイトや広告のほか、モバイルアプリやEメール、インスタントメッセージ、ポッドキャストなど実に多種多様な媒体があります。

デジタルマーケティングが従来の手法と異なるのは、多彩なデジタルメディアを通してキャンペーンなどを分析し、リアルタイムで有効性を把握できる点です。企業がデジタルマーケティングに取組むことで、顧客や消費者の動向や嗜好などを可視化し、より適切なプロモーションを行えることから、近年重視されるようになっているのです。

具体的には、企業の担当者は常にコンテンツ閲覧の有無や閲覧時間、閲覧頻度をはじめ、コンバージョン率や各コンテンツの反応などを逐一確認できるのが特徴です。

デジタルマーケティングに成功した企業3つ

デジタルマーケティングでの成功事例に関し、経済産業省が2016年4月に公表した「企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書」が参考になるので、3つのケースを紹介します。

・ コニカミノルタ - ネットとTVのダブル視聴で最大効果
オフィス向け複合機を軸にB to Bビジネスを行っていますが、ブランディング動画のテレビCMとネットでの費用対効果の比較を実施。視聴後の好感度アップなどについてアンケートすると、媒体をまたぐテレビとネットで目にする重複視聴が深く印象に残って最も結果が高いことが分りました。

・ 大丸・松坂屋 - オリジナルキャラ × SNSで顧客単価アップ
FacebookやTwitterなどで人気のキャラクター「さくらパンダ」をLINEスタンプにして活性化。LINE画面提示でグッズがもらえるキャンペーンの参加者は8,200人。グッズプレゼントは1,000円以上の購入が条件にもかかわらず、グッズ目当てで百貨店に行くと他にも買うので結局1人あたりの平均購入額は6,500円を超えました。

・ 日本コカコーラ - プレゼント当選者の過半数はソーシャル投稿
「い・ろ・は・す もも」の発売前に行った試飲ボトルキャンペーンで、当選者1,000名の内、過半数がハッシュタグ付きでツイート。プレゼント応募だけで完結せず、次のアクションを起こさせるため、ユーザーが自発的にアクションを起こし、話題を最大化してもらえるかまでがきちんと設計されていました。

成功する秘訣はエンゲージメント

企業が伝えたい情報だけを、一方通行で顧客や消費者に伝える時代は終わりました。デジタルメディアはニュースやソーシャルネットワーク、ショッピングなどに拡大し、今では多くの顧客や消費者はユーザーが自ら発信するコメントや口コミ情報を重視する傾向が強くなっています。消費者はニーズや好みに応じたオファーを受け取り、パーソナライズされた的確なコミュニケーションを望んでいるのです。

企業はデジタルマーケティングで得られた顧客や消費者の情報をデータとして蓄積、活用することが求められます。それにより軌道修正や改善をし、さらにマーケティングを発展、高度化させ、顧客や消費者とのエンゲージメント(繋がり)を強化することがデジタルマーケティングを成功させる秘訣と言えます。

顧客や消費者の動向や行動パターン、年齢や興味などの属性をより深く把握できれば、最も効果的なタイミングやデジタルメディアに最適化し、適切なメッセージを届けることができるのです。これでブランドや商品をよりインパクトのあるプロモーションにすることで、さらに実りが多い顧客や消費者とのエンゲージメントとなる可能性が高まります。

収集したデータをどう役立てるか?

デジタルマーケティングには膨大な量のデータ収集が伴います。デジタルメディアは多様化、拡大化の一方で、ユーザーは複数を使いこなします。全データを分析、活用することは困難で、大量のデータから正確に役立つ適切な情報を見出すことも現実には難しくなっています。

デジタルメディアは既存のメディアより低コストのため、ますます競争は激化し、消費者の関心を引き付けることも簡単ではありません。

デジタルマーケティングでは、収集したデータをどう役立てるかが必須です。いかにデータを数値化して、マーケティング改善のために活かすか。これが何より重要なポイントです。(提供:J.Score Style

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