2018年2月、メルカリが福岡市内で「メルチャリ」を開始しました。福岡市は自転車通勤が多い街のひとつでしょう。安全面や防犯面にも配慮した設計になっており、福岡市で浸透しています。今後、日本でもライドシェアの動きが活発になる可能性を秘めています。昨年には、中国の配車アプリ「滴滴」が日本に上陸することが報道されるなど、日本のライドシェア市場は海外からも魅力的に見えるようです。そこで、ライドシェアとはどのようなものなのかを考えてみましょう。

中国の自転車事情

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(写真=Alex Alekseev/Shutterstock.com)

かつての中国では自転車が人々の生活の足となっていました。しかし、自動車が普及し、自転車から自動車へ交通手段が移っていきました。これにより渋滞が深刻化。地下鉄などの交通手段も発達しましたが、人口増加もあり常時満員の状態で定刻通りに発車しない状態が続きました。

この状態を解決するためにも政府主導で自転車シェアリングを啓蒙しました。しかし、当時は自転車を駐輪・管理する場所がネックとなり現在ほどは普及しませんでした。

近年になって一気に自転車シェアリングサービスが普及した理由

しかし、ここ数年でアリペイなどスマホ決済が普及し、自転車の利用時間ごとに課金できるようになりました。さらには、自転車の施錠もスマホで簡単に行えるようになりました。駐輪ポートで自転車を管理する手間が不要になり、利用者は自転車を気軽に乗り降り

理解を深めるためにも自転車シェアリングサービスMobike利用の流れをご紹介します。ユーザーはMobikeのアプリをスマホにダウンロード。アプリのマップ画面で待機自転車(GPS内蔵)がどこにあるのか瞬時に確認できます。そして、アプリに表示されるQRコードで自転車のロックを解錠して乗車を開始。乗車後は使用時間に応じた利用料金がアリペイ(スマホ決済)により自動で支払われます。

Mobikeの利用料金も30分1元(約16円)と低価格です。自分で自転車を所有するよりもシェアリングサービスを利用した方が管理する手間も要らず、盗難被害の心配もありません。また、街中に乗り捨てられた自転車があちこちにありすぐに自転車を利用できます。鉄道の駅から自宅までの区間の交通手段として最適です。

乗り捨てできる、スマホ決済で簡単決済、低価格、盗難の心配不要、これらの理由から自転車シェアリングサービスは爆発的に普及したのです。

中国発の自転車シェアリングサービスは日本で成功するか

中国では鉄道の駅から自宅までの区間の交通手段として自転車シェアリングサービスが利用されていると前述しました。これは中国では自転車の乗り捨てができるからこそ実現したことです。自転車が乗り捨てられており、あちこちに利用できる自転車があるため利用者にとって利便性が非常に高いのです。

Mobike、ofoは従来の自転車のレンタルサービスと明らかに異なっています。それは日常的にリピートされるサービスである点です。人々は鉄道の駅から自宅までの区間の交通手段として毎日Mobike、ofoを利用しているのです。

Mobike、ofoは日本においても日常的にリピートされる交通手段になり得るのでしょうか。 規制の厳しい日本では路上に自転車を乗り捨てすることは許容されないでしょう。所定のスペースに自転車シェアリングサービス用の駐輪ポートを設ける事が求められます。

鉄道の駅から自宅までの区間の交通手段として利用者に利用してもらうには数多くの駐輪ポートを立地の良い場所へ設置することがネックとなります。そうでなければ日常的にリピートされるサービスにはなり得ないでしょう。

札幌に展開しているMobikeはコンビニの空きスペース等に駐輪ポートを設置していますが、立地の良い札幌駅周辺には駐輪ポートを設置できていないようです。Mobike、ofoが駅から自宅までの交通手段として日常的にリピートされるサービスに成長するのには超えるべきハードルは高いと言えそうです。

しかし、従来型の自転車のレンタルサービスと比べてMobikeやofoはスマホ決済・解錠が可能であり利便性が高いことは間違いありません。2020年東京オリンピックに向けて訪日外国人が急増する中で、Mobikeやofoなどの自転車シェアリングサービスへのニーズも高まっていくことでしょう。(提供:J.Score Style

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