昨日の海外時間には、複数のECB理事が来週のECB理事会で資産買入れの終了を判断するとの発言をしたことからユーロ買いが強まりました。対ユーロでの円売りでドル円も堅調に推移しています。
今後の見通し
来週14日にECB理事会を控えて、ECBの複数の理事から資産買入れの終了を示唆する発言が相次ぎました。ハト派で知られるプラートECB専務理事が「インフレが目標に向けて上昇していくことへの自信を深めている」「6月会合で債券買い入れ策の今後を判断」、バイトマン独連銀総裁が「年内のQE終了見込む市場の期待は妥当」、さらにクノット・オランダ中銀総裁も「債券買い入れの終了を近く発表することは合理的」と述べました。前日のECBの政策当局者の「資産買い入れを終了する時期を公表する可能性もある」との発言も合わせて、市場では急速にECB理事会の注目度が高まっています。その為、5月終盤にイタリア、スペインの政局懸念で130円付近から124円台まで売られたユーロ円はほぼ元の水準まで反発しています。
一方ドル円は、各国株価が上昇する中、ユーロ円を中心としたクロス円での円売りに支えられて堅調な取引が続いています。来週は米朝首脳会談とECB理事会が予定されていますが、それまではここ数日の流れを引き継いで円は軟調に推移すると考えられます。
109.60円のドル買いポジションを維持
金曜日に109.60円でドル買い円売りのポジションを作りました。引き続き109.30円に損切りラインを設定して110円台半ばでの利食いを目指しています。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、プラートECB専務理事「6月会合で債券買い入れ策の今後を判断」、バイトマン独連銀総裁が「年内のQE終了見込む市場の期待は妥当」などと述べたことからユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.1780台まで、ユーロ円は129.80円台まで上昇しました。ドル円はユーロ円の円売りでつれ高となって、110.20円台まで上昇しました。
NY時間にはいって、発表された米・4月貿易収支は予想よりも赤字が少ない結果となりましたが、全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は109.90円付近まで下落し、ユーロドルは1.1790台まで上昇しました。その後米長期金利とNYダウが上昇する中ドル買いが優勢となって、ドル円は110.20円台まで上昇し、ユーロドルは1.1760付近まで反落しました。
東京時間にはいってからは、ユーロ買いが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間には独・4月製造業受注の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp