6月4~8日の東京株式市場は堅調に推移した。この週は為替の円安進行や、米朝首脳会談への期待を背景に強気ペースの展開となった。8日の日経平均株価は前週末比523円15銭高の2万2694円50銭で取引を終了、週ベースでは3週間ぶりの上昇となった。
ジャスダック「営業利益」ランキング
それでは、今回はジャスダック市場の「営業利益」ランキングを紹介しよう。
(1)日本マクドナルドホールディングス <2702> (連)189億1200万円 2017年12月
(2)セリア <2782> (単)164億7900万円 2018年3月
(3)シノケングループ <8909> (連)129億2000万円 2017年12月
(4)ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> (連)125億9800万円 2018年3月
(5)沖縄セルラー電話 <9436> (連)124億4900万円 2018年3月
(6)フクダ電子 <6960> (連)123億3400万円 2018年3月
(7)エスケー化研 <4628> (連)113億9900万円 2018年3月
(8)レーサム <8890> (連)113億0900万円 2018年3月
(9)東映アニメーション <4816> (連)112億7200万円 2018年3月
(10)ワークマン <7564> (単)106億0300万円 2018年3月
※銘柄、証券コード、営業利益、決算年月の順。(連)は連結、(単)は単体。利益は実績ベース。データはヤフーファイナンスより。
上記ランキングを業種別でみると小売業が3銘柄で最も多く、次いで情報・通信業と不動産業が各2銘柄。その他は機械、電気機器、化学が各1銘柄だった。
日本マクドナルドHD、年初来高値圏で推移
今回は上記ランキングから日本マクドナルドホールディングス(HD)、セリア、ワークマンを取りあげる。
日本マクドナルドHDは東京都新宿区に本社を置く持ち株会社。ファストフードチェーン大手「マクドナルド」を運営する日本マクドナルドを連結子会社に持つ。
同社は食品安全問題等で2014年12月期、2015年12月期と2期連続で純損失を計上したが、2016年12月期以降は売上高・利益ともに回復している。ちなみに、先週6月7日に発表したマクドナルドの5月の既存店売上高は前年同月比で9.6%増加し、30カ月連続のプラスを記録した。背景には商品刷新や店舗のリニューアル、さらには消費者の人気投票によりマクドナルドの日本一の商品を決定する「マクドナルド総選挙」等のキャンペーンの成功が挙げられる。
最近では17時以降限定で定番バーガー商品にプラス100円でパティが倍になる「夜マック」を3月にスタートしたほか、6月13日からは自分好みのトッピングをハンバーガーなどに追加できる「マックの裏メニュー」キャンペーンもスタートする。こうした積極的な話題づくりが同社の営業利益や株価を後押しする要因と見られている。
日本マクドナルドHDの株価は2017年初頭に3000円を下回っていたが、現在は5700円前後まで上昇、年初来の高値圏で推移している。同社が示す2018年12月期の営業利益予想は前期比15.3%増の218億円。株主優待が手厚く、個人投資家が安定株主ということもあり、予想PERも38.66倍(6月8日現在、会社予想ベース)と高水準を維持している。
セリア、既存店売上高は伸び悩み
セリアは「100円ショップ」を全国展開する企業。岐阜県大垣市に本社を置く。
セリアの2018年3月期決算は売上高、営業利益、純利益のいずれも過去最高を更新した。人件費率は上昇したが、売り上げが伸びたことで利益率は改善している。ジャスダックでは好業績銘柄として個人投資家の人気も高い。
ただ、店舗数拡大により全店売上高が増加する一方で、既存店売上高は伸び悩んでいる。先週6月5日発表の5月の既存店売上高は前年同月比1.2%減で5カ月連続のマイナスとなった。既存店売上高の伸び悩みが続けば会社予想の下方修正につながる可能性も否定できず、今後の動向から目が離せない。
ワークマン、雨関連製品の販売伸ばす
ワークマンは作業服や関連用品の専門店チェーンを運営する企業。群馬県伊勢崎市に本社を置く。
6月1日、ワークマンが発表した月次報告によると5月の既存店売上高は前年同月比3.4%増と、8カ月連続でプラスとなった。客数は3.0%増、客単価は0.4%増で長靴など雨関連製品の販売が伸びたという。
ワークマンの株価は2017年秋から上昇基調に入り、今年3月9日に5290円の高値を付けている。その後は上げ一服で調整ムードにあるようだ。(ZUU online 編集部)