6月18~22日の東京株式市場は軟調に推移した。この週は米中貿易戦争への警戒から調整ムードが広がり、上値の重い展開となった。22日の日経平均株価は前週末比334円92銭安の2万2516円83銭で取引を終了、週間ベースで3週ぶりの下落となった。
ジャスダック市場「EPSランキング」
それでは、今回はジャスダック市場の「EPS(1株当たり利益)ランキング」を見ていこう。
(1)ユニバーサルエンターテインメント <6425> 5070円 (連)2465円 2018年12月
(2)常磐開発 <1782> 7500円 (連)1275円 2019年3月
(3)松本油脂製薬 <4365> 1万1320円 (連)1143円 2019年3月
(4)セフテック <7464> 8370円 (連)1088円 2019年3月
(5)美樹工業 <1718> 5240円 (連)915円 2018年12月
(6)菱友システムズ <4685> 6710円 (連)867円 2019年3月
(7)共和工業所 <5971> 6540円 (連)810円 2019年4月
(8)テクノクオーツ <5217> 8900円 (連)769円 2019年3月
(9)ニューフレアテクノロジー <6256> 7030円 (連)750円 2019年3月
(10)CBグループマネジメント <9852> 3790円 (連)605円 2019年3月
※銘柄、証券コード、株価(22日終値)、EPS、決算年月の順。(連)は連結。データはヤフーファイナンスより。
EPSは純利益(会社予想)を発行済み株式で割った指標で、個別銘柄の株価が割安か割高かを見極めるための指標としても使われている。上記ランキングを業種別でみると建設業、卸売業、機械が各2銘柄、その他は化学、金属製品、ガラス・土石製品、情報・通信業が各1銘柄だった。
常磐開発、震災の復興需要は一巡か?
今回は上記ランキングから常磐開発、セフテック、共和工業所を取りあげる。
常磐開発は常磐興産グループの建設会社。福島県いわき市に本社を置き、建設や土木緑地、環境関連、不動産などの各事業を手掛けている。
常磐開発の2018年3月期決算によると営業利益は16.8%増の22億1200万円となっている。ただ、2019年3月期については建設、土木緑地などの受注減少で減収減益となる見通しが示されている。同社の決算短信によると「震災より7年が経過し、復興需要による公共投資は、ほぼ終息を迎えつつある」という。
ちなみに、2018年3月期の配当金は1株当たり280円。配当金総額は2億1900万円、配当性向は15.0%となっている。
セフテック、工事用保安用品が好調
セフテックは東京都文京区に本社を置く、工事用保安用品を専門に扱う企業。道路や工事現場で使われる円すい形の標識「カラーコーン」は同社の登録商標である。
セフテックの経営環境は良好だ。5月9日発表の決算短信によると2018年3月期は主力の標識、表示板などが減収となる一方でレンタル品が好調だった。高付加価値商品の回転率向上やレンタル在庫の効率的な配置により増収増益となった。配当金は1株当たり年220円、配当金総額は1億0500万円、配当性向は27.4%となっている。
同社によると2019年3月期も引き続き好調を維持し、東京五輪関連工事も活発化すると予想。売上高は前期比5.8%増の100億円、営業利益は約4割増の8億2000万円が見込まれている。
共和工業所、営業利益の伸び目立つ
共和工業所は建設機械用高強度ボルトの専業大手。石川県小松市に本社を置く。
5月31日、共和工業所が発表した2018年4月期の決算短信によると営業利益は10億9300万円と前期比で63.2%増となった。国内は主にレンタル業界向けを中心に増加したほか、海外も北米でインフラおよびエネルギー関連向けを中心に増加、中国も固定資産投資やインフラ投資など公共投資の景気下支えにより大幅に回復したという。この結果、建設機械部門、自動車関連部門、産業機械部門の全セグメントで増収となった。ちなみに、共和工業所は2019年4月期の営業利益について32.7%増の14億5000万円となる見通しを示している。
上記発表を受けて翌6月1日の株式市場では共和工業所株に投資家の買いが集まり一時ストップ高を記録する場面も見られたが、その後は利益確定の売りに反落している。(ZUU online 編集部)