結婚してその後出産しても、夫婦とも仕事を辞めない夫婦が増えています。総務省の調べによると、夫婦共働き、いわゆるダブルインカムの夫婦は、1980年当時は約600万世帯。これに対して専業主婦世帯は約1,100万世帯でした。これが1992年には逆転。2014年にはダブルインカム世帯が1,114万世帯、専業主婦世帯は687万世帯と、34年前とは真逆の結果となっています。(データ出所:1980~2001年は総務省「労働力調査特別調査」、2002年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)」)

ダブルインカムの家計管理法は2パターン

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(写真=PIXTA)

妻が専業主婦の世帯が大半を占めていた時代、夫婦の家計管理は妻が行うのが一般的でした。夫の給与が入る口座を管理し、入ったお金の使用用途の割り振りや貯蓄などの運用は妻が決めていたことが多かったのです。夫は、毎月一定額のこづかいをもらい、あとは妻任せという管理体制です。

これに対し、ダブルインカムになると、給与の入る口座が2つになります。それをひとつの家族として、共同で使っていくことになるので、管理法は100人100様になるのは仕方ありません。そうは言っても、一般的に管理方法は2つのタイプに大別できます。

1つ目は、夫婦それぞれが決まった金額を持ち寄って第三の口座を作り、その中で家計管理をする方法です。例えば、家計に月30万円かかるなら夫が20万円、妻が10万円を口座に入れて、その中でやりくりするのです。これを「持ち寄り派」と名付けましょう。

もうひとつが、夫婦がそれぞれ負担する費目を分担して払う方法です。夫は水道光熱費と家賃、妻が食費と雑費といった具合です。こちらは「分担派」と名付けます。

「持ち寄り派」の場合、持ち寄ったお金でやりくりができない場合、どうして足りなくなったのか、どの部分の出費を夫婦として節約するかなど、話し合いが必要になります。お金のことで喧嘩になることもあるかもしれません。ただし、自然と2人の家計への興味が高まり、2人ともどこにいくらのお金がかかっているか常に把握できるようになります。

これに対し「分担派」は自分の役割のお金だけ払っていればいいので、それ以外の出費への関心が高まりにくいかもしれません。新たな出費が発生しても、どちらかがその都度支払ったり、もしかしたら片方だけが負担をかぶっている、ということも起こりがちです。それだけに、自分が家計のどの部分にいくら払っているか、半年に1度など、常に棚卸をする時間を作らないと、家計全体を把握しないままに日々が過ぎていってしまいます。

ダブルインカムの注意点は貯蓄計画の共有

そのほかに注意すべきポイントが2つあります。

ひとつは、使うお金だけでなく、将来に向けて貯めるお金について、きちんと話し合って実行しているかということです。貯金については、それぞれ、自分がもらったお金を自分名義で貯蓄に回すのが原則です。ですから、毎月5万円、ボーナス時に10万円で年間70万円を貯めていきたいという目標があるなら、夫が月3万円、妻が月2万円、ボーナス時はそれぞれ5万円ずつなどルールを決めて、定期的にいくら貯まったのか確認する必要があります。

この貯蓄ルールをきちんと決めて実行しないと、どちらも貯蓄をせず、「きっと相手が貯蓄してくれているだろう」と余ったお金を全部使ってしまう可能性があります。収入は高いのになぜか貯蓄0というダブルインカム家計があるのは、こうした"相手任せ"気分に原因があるといえます。

もうひとつ注意が必要なのが、収入・支出の変化です。例えば、どちらかの収入が激減したり、0になってしまったりする場合や、子どもを保育園に入れて保育園代が月5万円かかるなど、家計負担が大きく増えてしまったりする場合です。今までどおりの暮らしぶりをしていると、あっという間に家計は火の車、ということになりかねません。この場合も、先行きを見通した貯蓄計画を夫婦で話し合っておくことが重要になります。

手取り35万円のダブルインカムの貯蓄計画

ここで、夫・手取り20万円、妻・手取り15万円のダブルインカムの夫婦を想定してみましょう。夫婦2人のときは、できれば、35万円の2割の7万円は貯蓄したいところです。夫・4万円、妻・3万円の積み立てをするといいでしょう。特に、将来マイホームの購入を検討している場合は、ダブルインカムであっても支出を節約して貯蓄を優先しましょう。

ただし、子どもが生まれて保育園に入ると、1~2歳のときは保育料が月数万円かかります。こうなると、手取りの2割の貯蓄は厳しいかもしれません。そういう場合は1割に減らしてでも貯蓄を続ける工夫をしましょう。また、児童手当は別口座に振り込んでもらい、すべて貯蓄しておくようにしましょう。

公立小学校に入ると保育料がなくなり、家計に余裕がでます。ただし、高校、大学など先々の教育費増加に備える必要があります。また貯蓄比率を2割に戻してがんばりましょう。その後、中学、高校と教育費負担が増えれば、貯蓄比率を1割、場合によっては5%にするなど、2人で相談してコントロールしてください。

50代の途中で子どもが独立した場合、老後資金を貯める最後のチャンス。2人で贅沢をするのではなく、できれば貯蓄比率を3割などにアップして将来の楽しい老後に備えましょう。(提供:マネーLife Style


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