ポスト平成ですごいことになる日本経済2.0
(画像=JStone/shutterstock.com)

目次

  1. 米企業の業績は好調だが
  2. 減税と原油価格の高騰が後押し
  3. 「新興国危機」の再燃、チャイナショックを警戒
  4. しばらくは安眠できぬ夜が続く?

※2018年7月配信記事を再編集したものです。

米企業の業績は好調だが

米主力企業の2018年4~6月期の決算はおおむね好調だった。しかし、好決算が予想されているにもかかわらず、米株式市場は冴えない場面も見られる。ウォール街の市場関係者からは「トランプ大統領が掲げる『米国第一主義』が新興国経済に大きな打撃を与え、結局は米国経済の自滅を招くのではないか?」と警戒する声も聞かれる。

「米国第一主義」への懸念は、現実のものとなるのだろうか。

減税と原油価格の高騰が後押し

6月の時点で、米調査会社ファクトセットは、S&P500採用銘柄の4~6月期について「20.0%の増益」を予想していた。20%増といえば2010年7~9月期以来の水準である。2017年末に行われた法人税の大幅な引き下げを含む税制改革の効果が早くも表れると見込まれた。

実際、各社ともすでに減税の影響で業績見通しの上方修正に動いている。たとえば、セクター別にみるとエネルギーが141.7%増と他を圧倒しているほか、素材が48.7%増、通信が27.3%増、情報技術24.6%増と続いている。減税に加えて原油価格の高騰がエネルギーセクターの業績を押し上げているほか、素材セクターでは関税の引き上げも追い風となっているようだ。

米国では原油高の影響等でインフレ圧力が強まっており、FRB(米連邦準備制度理事会)も利上げに積極的な姿勢を見せている。一方、米保護貿易への懸念から先行き不透明感が払しょくできず、その結果として「長短金利差の縮小」も続いている。イールドカーブのフラット化は金融機関の収益を圧迫することから、今期はもちろん、来期以降の収益見通しにどの程度影響を及ぼすのか気になるところだ。

「新興国危機」の再燃、チャイナショックを警戒