米国経済,見通し
(画像=PIXTA)

目次

  1. 利上げを決めた6月FMOC年内は「あと2回」で決着
  2. 利上げ回数を引き上げたのは「たった1人」
  3. 「年内の物価目標達成」を宣言
  4. ついに「高圧経済」が到来した?
  5. 景気のクールダウンは必要だが

※2018年6月配信記事を再編集したものです。

利上げを決めた6月FMOC年内は「あと2回」で決着

2018 年6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で予想通り利上げが決定した。注目されるのは、意見の割れていた年内の利上げ回数が「あと2回(2018年中に計4回)」で決着したことだ。ウォール街の市場関係者からは「高圧経済が目前に迫ったことで、金融政策の手綱の引き締めにかかったようだ」との意見も聞かれるが、その舵取りは暗中模索となりそうな雲行きである。

FOMCの結果を振り返りつつ、米経済が内包するリスクについてリポートしたい。

利上げ回数を引き上げたのは「たった1人」

同年3月のFOMCで「年3回」が見込まれていた利上げ回数も、6月は「年4回」となり、2018年中の利上げ回数が1回増えることとなった。ただし、FOMC参加者の金利見通し示す「ドットチャート」を見る限りでは、15名中1人が見通しを引き上げたに過ぎず、この3カ月で劇的な変化があったわけでもなさそうだ。

実際、ドッドチャートから年内の利上げ回数ごとの人数を調べてみると、3月FOMCでは現状維持が2名、あと2回が6名、あと3回が6名、あと4回が1名となっていた。それが、6月FOMCでは現状維持2名、あと1回が5名、あと2回が7名、あと3回が1名となっている。つまり、3月時点であと2回としていた6名のうち1人が6月のFOMCであと2回に「引き上げた」が、残り14名は見通しを一切変えていないのである。

ちなみに、6月のFOMC前にCNBCが実施したフェド・サーベイでも2018年中の利上げ回数は3.5回となり、3回と4回で意見が真っ二つに分かれていた。見解が分かれているのはFOMC内でもほぼ同じであることを理解する必要がある。

「年内の物価目標達成」を宣言